NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

「ワルキューレの騎行」という曲です。早朝に勇ましい気持ちになります。

ブログタイトルの    “Leitmotiv” ライトモティーフ    は、ワーグナーの得意とした作曲手法からネーミングしました。
「小主題(の連鎖)」換言できます。・・・最も顕著(けんちょ)に表れたのは「ニュールンベルグのマイスタージンガー」という曲だそうですが、いつか大阪の福島にあるシンフォニーホールで、生で聴きたいものです。

小主題の連鎖・・・まさに、毎回そうした話題を物語ってゆきたいものです。それは、ひとつの「旅」でもあるのです。ぶらり「独り歩き」もあれば、車窓(しゃそう)の風景にじっくり目を留めながらの「各駅停車」の時もあれば、超特急列車・超高速ジェット・ロケットの時もあるのです。旅にライトモティーフを求め、文章においては「言葉・論理・主題」を探します。・・・ところで、最近は遂(つい)に光速を越える何ものかの現実的存在が明らかになったそうですから、「タイムパラドクス」(時間の逆説、因果律の矛盾)はどうなるの、旅をすると若返るの? と思ってしまいます。

閑話休題(かんわきゅうだい)。

井伏鱒二の『山椒魚』も、小主題の連鎖なんですね。・・・次回、「本論」へ行きます。この「序論」「本論」「結論」というのも、ひとつの典型的な「文章の旅」の形です。

♪♪♪ヘビーローテイション、何度も聴いてみました、ワーグナー閉じます。

2012センター国語の古文・漢文において、問3もしくは問4に注目してみましたか?そこに「抽象」という重要素を見出すことが出来たでしょうか?それは、そこまでと、そこからとの「関係性」(繋がり・連鎖)を物語っていたでしょうか?
古文の平均点が予想外に低かったようですね、センター側は、あれほどの問題文章・字数減で「易化」を目論(もくろん)だはずなのに・・・。おそらくは、この「関係性の見落とし」だと思われます。漢文は逆に、問7の出現に驚きながらも、「抽象」なるものが分かりやすかったのでしょうね。2013の予想や対策を、来たるべき「危急存亡の秋(とき)」には、的確に展開します、期待して下さいね。


『近代文学入門』(双文社出版)より、山椒魚・解説①「序論」
 
 大正八年(1919年)21歳の夏、故郷の広島・福山にて、早稲田大学文学部・フランス文学科1年の本名・井伏満壽二(いぶしますじ)は、「幽閉」という題名の習作(練習や試みのために作った作品)を認(したた)めます。これが、後に名小品(めいしょうひん)とされ、現在の高校教科書にも採用され続けている『山椒魚』の原型です。
 
 激動の時代が過ぎてゆき、人の思いや暮らしの向きが変わり、作者自身も平成5年に天寿を全(まっと)うしました。が、70年以上の長きに渡って『山椒魚』は、その都度(つど)「現代的」であったと思われます。それは「幽閉」という原題にこめられた「人間性の閉塞的状況」が今も昔も変わらず、「擬人・象徴・暗喩性」に富むことが要因でしょう。しかしここでは、さらにもっと作者自身に投影する読み方を示しましょう。

【NPがずっと前に書いた解説文を、今回文体を変え(常体→敬体)、このコーナー用に加筆編集しました。新作同然、続きます。是非、『山椒魚』自体(古い文庫本の方がよい)を一読して、合わせて読んでみて下さい。】

文章において「    」は、どんな時に用いるのでしょう。会話以外の場合を考えてみて下さい。
たとえば先日、センター解析の中で「井伏鱒二」としました。他にも「抽象」「虫素材」など。

1重要なキーワード
2注目すべき強調の言葉  ですね、ひとまず。次の四つのケースも意識して捉えましょう。

3抽象度の高い言葉 
4何かと何かを繫ぐ連鎖の言葉  
5普通とは異なる筆者独自の意味を持つ言葉  
6皮肉(アイロニー・イロニーとも言います。)  1~6は重複(ちょうふく)して用いられます、注意。

そして、切り返しますよ・・・小説においては、会話文に、上の1~6の意味を被(かぶ)せて読んでみるのです。小説問題こそ「論理的」に解かれねばならないと考えます。(合わせて、評論問題を「情緒的」に解くと、とっても面白いですよ、逆説的ですが・・・。こうなると、「情緒=論理」さえも成り立ってくるのです。)

さて、センター試験の解析続報ですが、評論の問4で「生物としての人間の、最大の悲劇」が、問われました。この位置は抽象系の問題だと、すでに端的に指摘しましたが、後方に、「    」の付いた「自他関係」という言葉があるんですね。直前には、~「自己意識」が「集団行動」と真っ向から対立する~という対比があります、これが正解に直結しますね。まさに「関係性」が問われているのです。そう、「関係性の悲劇」なのです。

抽象系の問題とは、具体を経て、象徴的な例や主題へと導く、これ自体が「関係性」という「属性(ぞくせい)」を持つことが明らかです。

しめくくりは、センター小説・問3「お互い」の「深い吐息」と、「相手をとがめるような瞳」 の意味。
「会話」の応酬を、前述の1~6で意識して味わいましょう。そして、設問の選択肢には、「    」は付けられていませんね。でも、解答者自身のイメージの中で「    」を付けるのです。
何に? ・・・前述の1~6の要素を持つ言葉にです。そうすれば、正解選択肢の中の「無慈悲」と「邪魔」が、きれいに浮かび上がって見えるはずです。これもまた人間相互の「関係性」であることは言うまでもありませんね、この設問も抽象系の位置にあるのです。

次回は、「井伏鱒二の『山椒魚』」について、NP解説を読んで下さいね。

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