…入門、という本(2005年4月:ちくまプリマー新書)を久しぶりに手にしている。
数学者 藤原正彦さんと作家 小川洋子さんの対談集で、以前高1の教材に用いたことがある。
藤原さんは東大理学部の院、小川さんは早大第一文学部、ご出身は対照的。
数学的要素が重複対比の重なり部分。
小川さんの「これ一冊」を決めるのに、彼女の「数学的要素」を考慮するか否かということ。
もし、『博士の愛した数式』を採るならば、バランス的に藤原さんの本を外す。
小川さんを『ミーナの行進』で行くならば、藤原さんの『若き数学者のアメリカ』もしくは『天才の栄光と挫折 数学者列伝』を入れてみたい。
課題(推薦)図書・最終選定中・・・物語的要素以外に、伝記的要素、哲学的要素、歴史的要素などあれもこれもと欲張りになっている、特に数学的要素。
第一部 美しくなければ数学ではない
2 数学は実用にすぐ役立たないから素晴らしい
この小題は、むしろ「文学は…」が相応しいと思うのだけれど。
“文学は虚業ですよ”・・・水谷昭夫先生(NPの大学・院時代の指導教授)が仰っていたのをよく覚えている。
3 俳句と日本人の美的感受性
日本人が数学にすごいのは美的感覚がすぐれているからで、天才数学者の岡潔(おかきよし)は、「日本に俳句があるからだ」としたそうだ。
大自然をたった五七五でビシッと表現しつくすと。・・・たった十七文字から、まわり全体、地球全体、宇宙全体を想像するようになっている、たとえば「荒海や佐渡に横たふ天河(あまのがわ)」とか・・・と。
ノーベル賞に「数学賞」がないのは、ノーベルが恋した相手の女性が数学者で、恋敵も数学者だったため、数学部門を作らなかったとか。
で、もしノーベル数学賞があったら日本人は二十人受賞している、と藤原さんは「美的感受性が発達していること」に託(かこつ)けて豪快に言い放っているのだ。
小川さんは、「日本人が本来もっている特性に、そんな素晴らしいものがあることに、あまり皆、気づいていないような気もしますね。」と、優しく指摘している。
小川さんは学生時代に数学が苦手だったのに、小説作家になり、数学(者)をモチーフとしたくなって相当学習したのだろう・・・
それにしても綺麗な言葉のインタヴューである。
この文章を記しながら、あえて結論へ・・・。
餅は餅屋
馬は馬方
刀は刀屋
酒は酒屋に茶は茶屋に
海のことは漁師に問え
田作る道は農に問え
船は船頭に任せよ
仏の沙汰は僧が知る
ということで、すべて「専門家に任せたほうがよい」ということわざに従います。
『博士の愛した数式』ラスト一文の 「ある数字」には、大層感動したんだけどなあ・・・
読売文学賞&第1回本屋大賞 作品。
『ミーナの行進』は、兵庫県の芦屋が舞台・・・一年間の物語、その後もいいですねえ・・・
谷崎潤一郎賞 作品。
・・・「遜色ない」、文学は数学の美しさに「引けを取らない」です。
数学者 藤原正彦さんと作家 小川洋子さんの対談集で、以前高1の教材に用いたことがある。
藤原さんは東大理学部の院、小川さんは早大第一文学部、ご出身は対照的。
数学的要素が重複対比の重なり部分。
小川さんの「これ一冊」を決めるのに、彼女の「数学的要素」を考慮するか否かということ。
もし、『博士の愛した数式』を採るならば、バランス的に藤原さんの本を外す。
小川さんを『ミーナの行進』で行くならば、藤原さんの『若き数学者のアメリカ』もしくは『天才の栄光と挫折 数学者列伝』を入れてみたい。
課題(推薦)図書・最終選定中・・・物語的要素以外に、伝記的要素、哲学的要素、歴史的要素などあれもこれもと欲張りになっている、特に数学的要素。
第一部 美しくなければ数学ではない
2 数学は実用にすぐ役立たないから素晴らしい
この小題は、むしろ「文学は…」が相応しいと思うのだけれど。
“文学は虚業ですよ”・・・水谷昭夫先生(NPの大学・院時代の指導教授)が仰っていたのをよく覚えている。
3 俳句と日本人の美的感受性
日本人が数学にすごいのは美的感覚がすぐれているからで、天才数学者の岡潔(おかきよし)は、「日本に俳句があるからだ」としたそうだ。
大自然をたった五七五でビシッと表現しつくすと。・・・たった十七文字から、まわり全体、地球全体、宇宙全体を想像するようになっている、たとえば「荒海や佐渡に横たふ天河(あまのがわ)」とか・・・と。
ノーベル賞に「数学賞」がないのは、ノーベルが恋した相手の女性が数学者で、恋敵も数学者だったため、数学部門を作らなかったとか。
で、もしノーベル数学賞があったら日本人は二十人受賞している、と藤原さんは「美的感受性が発達していること」に託(かこつ)けて豪快に言い放っているのだ。
小川さんは、「日本人が本来もっている特性に、そんな素晴らしいものがあることに、あまり皆、気づいていないような気もしますね。」と、優しく指摘している。
小川さんは学生時代に数学が苦手だったのに、小説作家になり、数学(者)をモチーフとしたくなって相当学習したのだろう・・・
それにしても綺麗な言葉のインタヴューである。
この文章を記しながら、あえて結論へ・・・。
餅は餅屋
馬は馬方
刀は刀屋
酒は酒屋に茶は茶屋に
海のことは漁師に問え
田作る道は農に問え
船は船頭に任せよ
仏の沙汰は僧が知る
ということで、すべて「専門家に任せたほうがよい」ということわざに従います。
『博士の愛した数式』ラスト一文の 「ある数字」には、大層感動したんだけどなあ・・・
読売文学賞&第1回本屋大賞 作品。
『ミーナの行進』は、兵庫県の芦屋が舞台・・・一年間の物語、その後もいいですねえ・・・
谷崎潤一郎賞 作品。
・・・「遜色ない」、文学は数学の美しさに「引けを取らない」です。