15日(日)の「小正月(こしょうがつ)」で、「松の内」も完全に明けてしまいました。
もう、俳句では「新年の季語」が使えない時季になります。
その日の朝刊各紙にセンター試験の国語問題と解答が載っていましたね。

 

今日は、その中の大問1・評論と大問2・小説問題から、ひとつ・ふたつお話をします。
まず、2の「井伏鱒二」の『たま虫を見る』について。問い3に最も注目します。
傍線部B~私達はお互に深い吐息をついたり、相手をとがめるような瞳をむけあったりしたのである。~
・・・・・あの井伏さんの代表作『山椒魚』の、岩屋に閉じ込められたオオサンショウウオと蛙とのやりとりに、とてもよく似た表現なのです。

 

NP(この語については後日詳しく説明しますね。)解析では、
この問い3もしくは問い4という位置に、問題文章全体における、
「抽象」系の重要な「肝心」があるとします
(評論・小説・古文・漢文問題のすべてにおいて、です)。

 

具(つぶさ)に読まなくてもわかるのです。
もちろん「たま虫」は、ある時期の作者自身を「象徴」的に示す「暗喩」なのでしょう。
・・・「虫素材」と私は名付けています、ズバリ「蠢(うごめ)く心」の暗示が込められています、きっと。

 

翻(ひるがえ)って、大問1(木村敏さんの評論)の問い4、傍線部C~生物としての人間の、最大の悲劇~
・・・すごいですね、偶然でしょうか、明らかに小説問題の主旨とも連動しているのです。
同じく抽象系問題の位置で発せられた設問です。

 

これから、こんな興味本位の「おもしろ素材」を、折に触れてお届けしてゆきます。
是非、「追っかけ」になって応援して下さい。
・・・自然に語彙力・読解力・表現力・感覚力がついてゆきますよ。