NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2013年05月

《訓読み・特殊読み》
1 審らか  2 掬う  3 鏤める  4 煌めく  5 葭
6 靡く  7 靄  8 譬える  9 暫し  10 纏める
11 道う  12 齧る  13 円ら  14 帷  15 甘蕉
16 蛹  17 朏  18 蒲公英  19 胡散臭い  20 仄か
21 喘ぐ  22 私か  23 淑い  24 萎れる  25 所縁
26 花魁  27 佇む  28 案山子  29 誹り(謗り)  30 瞠る
31 辛夷  32 穿った 33 窘める  34 秋桜  35 秋(≠あき)  

《音読み》
36 燦然  37 霹靂  38 遊山  39 蒼穹  40 咆哮
41 一見(≠いっけん)  42 御法度  43 尖鋭  44 闊達  45 渾沌
46 陥穽  47 私淑  48 喧騒  49 辟易  50 蜃気楼 

以上、出題範囲は4月11日~5月31日迄の当ブログ「ライトモティーフ」の文章です。
8割読めて漢字検定・日本語検定の準1級、書ければ1級に近づける・・・ハイレベルでしょうか、是非チャレンジを。

今日、教育顧問で俳人でもいらっしゃる松岡たけを先生と昼食を、さらに席を替えて珈琲(コーヒー)を御一緒しました。すぐ近くの大学の学食で、定食や麺類のボリュームに目を瞠(みは)りつつ、周りの喧騒(けんそう)に若干辟易(へきえき)しながら満腹に。さらにファミレス喫茶へ、アイスコーヒー・カプチーノお代わりフリードリンク。

最も想い出に残る自作句は? という問いに即座に応えていただいたのが、標題の句です。
朝刊の朝日俳壇で、稲畑汀子さんが入選句にとってくれたとのこと。

同じく入選句・・・
朝市に 飛騨の辛夷の 苗得たり

「辛夷」(こぶし)は、春を告げる白い花。この朝市は実は高知の日曜市、ご出身の岐阜県飛騨(ひだ)を思わせる一苗を買ったとのこと。

稲畑汀子(いなはたていこ)さんは、「客観写生」「花鳥諷詠」(かちょうふうえい)で知られるホトトギス派・高浜虚子(きょし)の直系、松岡先生ご自身も自然をそのように捉えたいとのこと。

そのまま読んでもいいし、深読みしてもよい、解釈も自然自由・・・それが本来の「発句」(ほっく)であると。

海に出て 木枯帰る ところなし (山口誓子)

以前からずっと気になっていた句についてもお伺いしました。
この句は、和歌の世界で言う「本歌取り的な技法」を持つそうです。
作句の背景を知ってよし、知らずともよし・・・。

知ってみようと思い立ち、帰宅後調べてみました。
元になった句は・・・

木枯しの  果てはありけり  海の音  (池西言水)


そして辿りついた解説・・・木枯しは少なくとも日本人には冬のきびしい冷たい風を思わせる言葉である。あたたかい国の人には、木枯しがいかなるものか想像がつくまい。私は日本よりはるかに温度の低い国で冬を過したが、その国の冬の風よりも、日本の冬の風がはるかに寒いと思った。おそらく湿度及び家の構造に由来するものであろう。江戸時代の木枯は現代の日本よりはるかに冷いものだったであろう。この句はそのために当時の日本人の間で有名になったと思われる。言水は芭蕉より古い俳人だが、山口誓子のような現代の俳人に明らかに影響を与えている。・・・


さらに、誓子(せいし)の句については、以下の別解説に出会いました。
戦慄(せんりつ)です。

・・・有名な句であり、わかりやすい句である。木枯が海に出て、もう帰るところがなくなったという句である。作者も同じことをいっている。太平洋に出た木枯は、さえぎるものがないから、どこまでも、どこまでも行く。日本へは帰って来ない。そして「日本には、帰るべきところはない」という。やや気になる言葉である。
ところが平成四年、九十一歳の誓子は重大発言をする。(先に自伝で触れてはいたが・・・・)
  「この句は、実際に伊勢の海へ出てゆく木枯を詠ったのです。陸から海に出て何ら妨げるものもない海に出てゆく木枯を詠みました。このころ日本は特別攻撃隊といって、飛行機で敵艦に体当りをする、捨身の戦法を取っていました。捨身の戦法ですから再び還ってくることはありません。海に出てゆく木枯に、死ににゆく若者のことを思いました。悲しい時代でした」(対談・わが俳句を語る)。この発言を読んで、私はビックリ仰天して飛び上がった。落雷に遇ったようなショックだった。「海に出て特攻帰るところなし」という衝撃の句だったのだ。・・・


ここからNPです。
暗喩無限そして夢幻・・・。
東京帝国大学・法学部出身の誓子には、理不尽で到底許しがたい時勢だったのでしょうね。
伊勢という場所、大神宮ありき・・・きわめて日本的な気がします。

芭蕉は、奥の細道の旅を大垣で止めます。そして、そのまま伊勢へ参ったとか。
これも今日、松岡先生に教えていただきました。

樹下出でし よりアカシアの  花匂ふ
  (松岡たけを)

最近作とのこと。「蝉時雨~」の句もそうですが、きな臭い政局?世相世情?時代背景?などと穿(うが)った見方をして窘(たしな)められました。
貴重で好奇心に胸躍る一刻でした、有り難うございました。

日付けが変わってしまい、五月末日です。
七十二候(しちじゅうにこう)では、「麦秋至」(ばくしゅういたる)の日。
・・・麦の穂が黄金色にそまる季節・・・麦秋は夏の季語です。

今・・・不気味に忍び寄る「危急存亡の秋(とき)」を感じませんか。

派生作品、別話、サイドストーリー、外伝。経済用語としては子会社・副産物を指すようです。

東野圭吾さんの「ガリレオ」作品で、原作には登場していない女刑事がTVドラマでは人気となり、新放映シリーズでは交代したものの、視聴者リクエストで「スピンオフ」として再登場・・・といった感じです。

関連して、「スピンアウト」は本来は車がコースから外へ飛び出すことですが、ビジネス用語としては新会社設立・新規独立などを意味する「比喩」ですね。

二つの違いは・・・
元の作品(会社)と繋がる糸(これも比喩ですね)を持ち続けるのが前者、断ち切るのが後者。

「ラモ検」を近々・・・これが「スピンオフ」ですね。
比喩の全貌②(解決編)を六月早々にはアップします。こちらは「スピンアウト」かな。

政治と文学に通底する、とても類質の危うさ・きな臭さを感じる昨今です。
スピンオフ・スピンアウト・・・そうだったのか・・・また「別話」にて。

近畿梅雨入りの日に、長谷剛先生(志桜塾)とお会いする機会をやんごとなきご事情でまた別話にて・・・というご一報をいただきました。スピンオフを心待ちにしております。

モナド(Monad)」は後期近代の直前に現れたドイツの哲学者・数学者ライプニッツ の案出した、空間を説明するための概念。モナス(個、単一)、モノス(単一の) に由来して、単子と翻訳される場合もある。「予定調和」という概念に近づくための「宇宙を構成する形而上的な根本原理」。

さだまさしさんのコンサートがまさにそうでした。
3991回目、堺市民会館、オープニングは「案山子」(かかし)、ファイナルは「主人公」。

トークは定評通りの絶品。御本人のバイオリンも歌もハイレベルで上手い、後方に控えたチェロも重厚で素敵だ・・・ったのですが・・・何かが違う。

いや・・・「違う」というより「同じ」だったのです。予想通りの極み・匠(たくみ)・・・彼のコンサート中の言葉で言えば、皮肉にも「妖精」(日本で滅びつつある美術工芸などの業師・わざし)の姿そのものだったのです。
つまり、予想と全く同じであることから生ずる違和感という逆説が、そこに感じられたのです。

小泉八雲(こいずみやくも=ラフカディオ・ハーン)の件(くだり)、即ち(明治中期~37年に54歳で急逝するまでにおける)「日本人自らによる日本喪失」予告という先見の明のお話も、彼自身の人脈の広さに基づいたフリーエピソードも、「秋桜」(コスモス)という曲に絡(から)めた結婚披露宴ネタも、落語家のお手本になるという「真打ち」の語りも・・・

陥穽(かんせい)≒落とし穴・策略

警鐘(!?)・・・ドキッとしました、NPのライトモティーフ手法も、その誹(=謗・そし)りを免(まぬか)れないからです。
今日は、出来るだけの「短文」を目指して述べ始めました。
饒舌(冗舌・じょうぜつ)であることの確かな証(あかし)・・・長文化。

「長文・化」は「超・文化」であるのかも知れません、ハイ御後(おあと)がよろしいようで。


家人はずっと以前、「助六って、どこのお店にも入り込んでいる、すごいブランドなのね。」と言っていた・・・。

ちょっと待て、それは違うぞ・・・。

と思いながら、そっとしておきました。
・・・というわけで、今朝、毎週日曜に2本立てで流れているアニメ・アンパンマンを見ていると、「いなりずしのみこと」というキャラが登場したこともあって、語源を確かめてみました。

歌舞伎十八番の「助六所縁江戸桜」(すけろくゆかりのえどざくら)で、主人公助六の愛人で、吉原の花魁(おいらん)の名前が「揚巻」(あげまき)。そこで油揚げのいなりずしと、海苔(のり)で巻いた巻きずしを詰め合わせたものを「助六」と呼ぶようになったようです。
他にも、この演目の幕間に出される弁当だからという説もありますね。

いなりずしのみこと・・・

おいしい いなりずしの ひでんを もっている みぶんの たかい いなりずし。すぐ えらそうに するけど、ちょっぴり ぬけたところが あって にくめない。


家人とどこか似ているような気がしました。

九州の八女茶(やめちゃ⇒福岡県八女市の「吉泉園」というブランドから取り寄せ)の新茶が届きました。
お茶の大好きな家人と、今日は「助六と新茶」を嗜(たしな)むことにします。

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