NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2017年08月

一般的なお話として・・・、
「何を一冊 薦めたいですか」と問われると、
秋には、
この『ポプラの秋』(1997年 新潮文庫)と即答します。

中高生に限りません。

春ならば…
夏なら…
冬は…
(清少納言風)


そう言えば、
1970年代~2010年代にかけての、
夏歌マイベスト3という当ブログ企画は、
あれこれ迷って聴き込んでいるうちに季節を過ぎてしまいました。
発展的保留で続編は来夏に(覚えていれば)・・・。


・・・と同様に、
秋マイブック3を選ぶとすれば、
この本はトップに上がります。
(小説の舞台は四季を巡っていますよ…念のため)


何度も何度も読みました。
それはもう。

一冊まるごと教材にしましたからね、
(夏休みの間に各自文庫本を購入して読んでおく…)
少なくとも三つの学年で実践しています。
定期考査でも記述のみポプラばかりを、
二学期の中間・期末にかけてやりました。
(現在の大学三回生、高校三年生、高校一年生が中学2・3年の頃です。)

2015年には映画化されています、
2012年にはドラマにもなっています。
あえて御紹介しません。
その出演者さんたちのイメージで読んでしまうからです。


まだ読んでいない、
映画も知らないというかたは幸いです。

すでに読んだ、
あるいは映画・ドラマも見た、
というかたも幸いです。
もう一度読んでみて下さい。

「原作」というものが、
どれほどすごいかということが、
まざまざと分かるからです。



大袈裟ではなく、
読むたびに、
教えるたびに、
自分自身あらたな発見が沢山ありました。
(花言葉も二回目からですよ多分。)


この秋ふとしたきっかけをいただいて、
また読み始めました。
いいものはいい、
何度読んでもいいのです。

(読んだかたへ・・・序盤の夏休みシャケ缶のシーン・・・覚えていますか?)
(読んでいないかたへ・・・シャケ缶とツナ缶とで・・・違いはありますか?)


「書き下ろし文庫本」です。
偉業です。
最初から文庫本しか無いのですよ。
文庫本として書き下ろされたのですよ。

(あの名作『夏の庭 The Friends』の作家さんですからね。)


NPが近年の授業で用いていた文庫本(5年前の第24刷版…20年前の初刷本も別にあります…あるはず)には、
授業メモ、
生徒さんから貰った調べメモ、
ネットから貰って編集加工して作った解説プリント・・・、
などなどが折りたたんで挟んでありました。
(今朝あらためて発掘)
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『夏の庭…』(新潮文庫1994年、初刊行は1992年)よりもNPは好きです(どちらも再読します)。
『春のオルガン』(新潮文庫2008年、初刊行は1995年)は後で読んで下さい。
『…冬…』の刊行をずっと待っています・・・。



🍁湯本香樹実(ゆもとかずみ)・・・
1959(昭和34)年、東京生まれ。東京音楽大学音楽科作曲専攻卒業。小説『夏の庭―The Friends―』は1993(平成5)年日本児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞を受賞。同書は映画・舞台化されるとともに世界十ヵ国以上で翻訳され、1997年にボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ミルドレッド・バチェルダー賞に輝いた。2009年絵本『くまとやまねこ』で講談社出版文化賞受賞。著書に『ポプラの秋』『春のオルガン』『西日の町』『岸辺の旅』、絵本に『わたしのおじさん』『魔女と森の友だち』などがある。
[ネット紹介記事より]



安っぽい感動でついつい涙してしまいますからねえ最近・・・。

でも、
この本の末尾5行は、
本当に本当に凄いです。
今読んでいてまた(T_T)。


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新発売マルちゃんの「四季物語」シリーズ・・・、
豚骨醤油の徳島系らーめん
VS
黒醤油の京都系らーめん
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勝者:京都!!

はい、
NP家での判定は圧倒的に「京都」でした。

見た目ほど濃くないのね、
これは意外にあっさりして実に美味(^^♪ 。



黒色の京風らーめん食べて秋
  なぜ黒なのか恐怖ラーメン?
(宏川)

京風は白色ならば豆腐らーめん?
(同)

《・・・一字違いで・・・の後遺症を当分引き摺りそうです。》




















今年1月発表の第156回直木賞を受賞したのは、
恩田陸さん『蜜蜂と遠雷』でした。
(7月発表の第157回が佐藤正午さん『月の満ち欠け』)


画像は「NHK俳句9月号」(毎月20日発売)です。
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某男子生徒さん(TPくんかな?)から、
提出物への書き込みで指摘があったので、
能々(よくよく)考えてみた小話(標題の小疑問)を、
やはり載せることにします。

テキスト表紙の左下にありますが、
9月号には、
7月放送分の入選作品が掲載されています。

特選・第一席~第三席の優秀句を初めとする入選9句(TVで既に明らか)と、
全国(海外も)からの応募の何千句(多分)から選ばれた「佳作」の数々(都道府県別に北から南へ並記)とが載っています。


NPもはや応募した(であろう)句を忘れているのですが、
今回も佳作にも入れずです…。
(NPと同じ句会から毎回のように佳作入選のかたの御名を拝見…)






それはそれとして問題は、
「遠雷」という夏井いつきさんの「兼題」でした。

七月第3日曜のNHK・E‐TVを(AM6:35~ですが朝早くとは限りませんビデオやオンデマンドが普通)見た当該生徒さんは、
第二席に入選した、
「蜜を舐めるやうに遠雷は生まれる(神戸市中央区のかた)」という前衛句(ですよね「現代俳句」らしい)について、
「夏井さんが『蜜蜂と遠雷』についてひと言も触れなかったこと」について、
「この句は明らかにそれを踏まえているのだから指摘すべきだった」と、
手厳しい懐疑を述べているのです。
(いいなあこの「上から目線」、「上からマリコ(AKB48)」( `ー´)ノ。)


テキストで確認しましたが、
夏井さんは「なんと不思議な感覚でしょう。」という御言葉の後、
一見して的外れ(失礼m(__)m)のような「寸評」ですね・・・。


う~んんんんん。

これは難しいぞ・・・、
確かに本当にそうなのでしょうか。
夏井さんは知らなかった(気付かなかった)のでしょうか!?
そして念のため「(直木賞受賞作のタイトルを)踏まえているかも知れませんね」ぐらいは、
言っておくべきだったのでしょうか・・・。


これと対照的に・・・、
同じく第一席句、
「遠雷や花屋はみづうみの匂ひ(岐阜県本巣市のかた)」では、
夏井さんは石田破郷(俳人・石田郷子さんの父親が師事した著名俳人⇒踏まえておかないとね)の、
〈あえかなる薔薇撰(ばらえ)りをれば春の雷(らい)〉に触れています。
(これはこれで又 季節や印象・雰囲気からして強引のようにも思えるけど…)

むむむむむ~ん。
月に代わっておしおきムーン(=_=)・・・。


「遠雷」は夏の季語で、
「雷」が主だとすれば「副題」(子季語)と言います。
 「三夏」と称して夏じゅうずっと使えます。
他にも神鳴/いかづち/はたた神/鳴神/落雷/来火/雷鳴/雷声/日雷/雷雨/雷響などがあります。 



ただね・・・、
万知万能(造語:ばんちばんのう)であることは不可能ですからね当然。


蛇足なのか発見なのか・・・、
こういうことです。
以下は「歳時記」より。

蜂・・・ 三春
足長蜂/熊蜂/地蜂/土蜂/穴蜂/似我蜂/山蜂/花蜂/蜜蜂/徳利蜂/鼈甲蜂/姫蜂/黄蜂/小花蜂/雀蜂/黒雀蜂/女王蜂/雄蜂/働蜂/蜂飼ふ/蜂の剣/蜂の針
・・・すべて「春」


「蜜」で留めておかないと、
「蜜蜂」では春夏の季重なりになってしまうのです実は。


お分かりのように・・・、
恩田陸さんは、
「蜜蜂と遠雷」で、
「春から夏にかけて」の「国際ピアノコンクールに向けての」、
「温かくも熱い闘い」を意図していたのでしょう。


だからこそ、
あの『蜜蜂と遠雷』最終頁が心に響くのです。
それは、
若きピアニスト情熱家(蜜蜂)たちの、
遠くて近い輝かしき未来(遠雷)に向けての、
厳粛なる里程標(道しるべ)に他ならないのです。

NPには一つひとつのコンクール結果が、
それぞれ蜜蜂たちの貴い勲章であり墓標であり・・・のようにも思えます。

一芸の至高を目指すことはかくも尊く痛ましいもの(必ず当落があるわけですからね)、
・・・そう思えます(だから受賞の報は万感ですね\(^o^)/)。


それに比べれば・・・、
NP宏川の諸行の、
何とお気楽なことかと(^^)/・・・。
(ピアノは初心者のまま)


でまあ結論ですが、
そうしたことも背景として考えれば・・・、
やはり夏井さんの慧眼*には感服すること多いわけです。
(今、一冊読んでいますからね、読了すればあらためてオマージュを…。)



*慧眼(けいがん)・・・
物事の本質を鋭く見抜く力。炯眼 (けいがん) 。「慧眼の士」→慧眼 (えげん) 
類語:眼力・ 眼光・ 心眼・ 達眼
[goo辞書より]
〔「明らかな目」の意〕ごまかしや秘密などを許さぬ、鋭い眼力。
(新明解国語辞典・第七版より)





当ブログのコメント氏CosmoSさんからの最新ネタonパレードをいただきました。
華麗なる言葉遊戯です。

【一字違いの妙 編】
「後見の直虎」 ⇔「後年の直虎」 
「政次の黒い碁石」⇔ 「政次の白い碁石」 
「そなたの姫」⇔「そなたの夢」 
「四国を思ふ」⇔ 「祖国を思ふ」 
「死別した人たち」⇔ 「離別した人たち」 
「囀るような声」 ⇔「遮るような声」 
「派遣会社からの電話」⇔ 「保険会社からの電話」 
「仕事の効率」 ⇔「仕事の能率」 
「社内でのマナー」 ⇔「社外でのマナー」 
「就業規則を違反する」 ⇔「就業規則を批判する」 
「花を咲かす」⇔ 「花を探す」 
「豆を煮る香り」 ⇔「豆を炒る香り」 
「日焼けの効果」⇔「日除けの効果」 
「未読スルー?」⇔ 「既読スルー?」 
「消えた蒙古斑」⇔ 「消えた模倣犯」 
「冷(や)酒を飲む」⇔「自棄酒を飲む」 

「頼みの綱」 「好みのツナ」 
(はごろもシーチキン炙りトロ、美味しいです) 


以上のラインナップは、
どれも面白くて笑えるのですが、
いちばんNP的にヒットしたのが、
「消えた蒙古斑」⇔ 「消えた模倣犯」 ですね。
ははははは(^◇^)。
(幼稚なお子ちゃまみたいな蒙古斑も模倣犯も消えたということで大団円です宮部みゆき的です。)
「頼みの綱」 「好みのツナ」 もいいね。
(食材センスをいっぱい感じますサケ缶ですよね湯本香樹実さんの『ポプラの秋』読んで下さい。)

・・・・・・・・・・・・

ここからは、
(宏川)作の言葉遊戯です。

【一字違いでカタカナ変+畳語(じょうご)付き】
睡魔に襲われる⇔スイマーに襲われる(うとうと)
核飛行機⇔紙ヒコーキ(ふわふわ)
羆に遭遇⇔小グマに遭遇(なでなで)
危急存亡の秋(とき)⇔希求ダンボーの時(ぽかぽか)
対不運当来⇔タイフーン到来(ごうごう)
大豆大好き⇔クイズ大好き(わくわく)
結果煮込みっとなる⇔結果にコミットする(やれやれ)
必死俳句⇔ヒッチハイク(のびのび)
やめられません⇔やめられまテン(まだまだ)



頭の柔軟体操に最適ですね。
いかに短時間で編み出すか。
「煮込みっと」お気に入り。


今日も「365日の紙飛行機」が心の中を、
飛んで奏でています。
(^^♪(^^♪(^^♪
人生は紙飛行機
願い乗せて飛んで行くよ
風の中を力の限り ただ進むだけ
その距離を 競うより どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番大切なんだ さあ 心のままに 365日 
(作詞は秋元康)


が・・・、
( `ー´)ノ
現実には、
ミサイルがどう飛んだか どこを飛んだのかが、
一番気になる一日でした。



【なとちのさ追補 編】
なくなる
(無くなる)
くちるな
(朽ちるな)


なつにかえる
(夏に帰る)
つちにかえる
(土に帰る)



9月18日(月・祝)に大阪府堺市産業振興センターで行われる、
「第五回文学フリマ大阪」(11:00~17:00)に、
文芸部は初出店参加します。(「紋
(あや)特別号」販売のみ)

会場堺市産業振興センター イベントホール
アクセス地下鉄御堂筋線「なかもず駅」南海高野線「中百舌鳥駅」徒歩3分
出店数約300ブース募集
出店者募集期間2017年3月25日(土)0:00~5月1日(月)23:59※終了しました
一般来場一般の方の入場は無料です!
会場入口で出店者カタログを無料配布します(なくなり次第終了)
http://bunfree.net/?osaka_bun05

文芸部の大いなる挑戦です。
印刷製本の外注振込を本日(8月29日)付けで致します、御日柄よく「友引」で「上弦」。

どんどんご来場賜るべく満月に向かってゆきましょう。



【以下は再告知・増強版です!!】
OBOG諸氏・卒業生・あらゆる知人の皆さんと、
何よりも当ブログ読者のかたへ。
この告知が目に入れば是非是非、
拡散を宜しくお願いいたします。

お越しいただければ幸甚です♡。

部員生徒たちが考えに考えた挙句に、
「25冊」限定での販売です♪♪。
(そんなに売れるものではありません💦身の程を彼らは弁えております。)
何卒お手にとって御高覧下さい(立ち読み歓迎)。

ブース自体は手狭で「長机半分スペース」、
遠からず近からずの在所に著者部員たちが「うろにょろ」しております。

「東大の現代文25カ年」(教学社)の著者である桑原聡先生の玉稿「どうでもデカ」や、
NP年来の改作連作モノ「冬物語2012」も載っています。


NPも勿論行きます、
お会いしましょう(^o^)丿。

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