NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2017年09月

10月に入ると、
2日の医学生理学賞を皮切りに、
3日の物理学賞
4日の化学賞
6日の平和賞
9日の経済学賞と、
発表予定です。

村上春樹氏が毎年のように最有力候補の一人と言われる文学賞は、
昨年もそうでしたが「後日」予定となっています。
(去年のボブ・ディラン氏については選考調整で遅れたように記憶しています。)


授賞式の12月10日は、
ダイナマイト発明者にして財団寄与設立(遺言)者、
アルフレッド・ノーベルの命日です。

メダル・賞状と賞金(日本円にして約1億円)が授与され、
一度に三人まで選ばれることが可能で、
その際は1億円が均等割りでは無く、
「受賞者の貢献度」によって分割されるそうです。


日本の受賞候補者は今年も多く下馬評に挙がっています。

村上氏も最近作の『騎士団長殺し』が「きわめて日本的・東洋的」(川端康成)、
もしくは「おおいに普遍的・国際的」(双方兼ね備えて大江健三郎氏1994年)であったならば、
究極のダメ押しになったのでしょうが、
少し毛色が異なる「不思議な国際色」だったので、
如何でしょうか・・・期待はしています。

平和賞候補と祈念される「憲法九条」は、
揺れ動く政治・国際情勢だからこそ切望されますね。

・・・・・・

1968年の川端康成の文学賞受賞に際して、
祝いの言葉を贈った高名な画家・東山魁夷(ひがしやまかいい)に対して、
次のような句を認(したた)めた揮毫(きごう:毛筆で色紙に書くこと)が残っています。

秋乃野に鈴鳴羅しゆく人見えず
(康成)
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そのコピー印刷レプリカを、
本館メディアホール(図書館)の司書NMさんから、
二年程前にいただいたものです。


あきののに
すずならしゆく
ひとみえず
(やすなり)


前日の正岡明氏の紹介チラシと同様に、
机抽斗(ひきだし)からヒョッコリ出てきました。






野(ノー)
鈴(ベル)
を洒落たものだそうです。

・・・・・・

(ひるがえ)って村上春樹氏の『騎士団長殺し』には、
実は「野の鈴」という重要モティーフが潜んでいる
のです。

まさかと思ってみたのですが、
「ノー・ベル」賞(騒ぎ)への洒落(高度な隠喩もしくは揶揄やゆ=からかい)なのかも知れません。
(この話題は当ブログ初めてではありませんね。)

再読してみたくなります。

そしてモーツァルトを聴いてみたくなります。
この作品全編をモーツァルトの音楽(オペラと交響楽)が貫き彩っています、
禁断の鈴の音が鳴り響くように・・・。
春樹ノーベル小説の記念碑になれるでしょうか?


ノーベル賞の季節・・・、
秋・野・鈴・鳴る・ゆく・人・見えず・・・、
康成ノーベル句の意図を合わせて考えています。









「出待ち」(前日ブログ画像)は自宅玄関棚でした。

「入り待ち」は例によって職員室横の給湯室。

「見待ち」は今回は職員室ホワイトボード前棚。

そして、
「飾り舞台」がクラス教室棚。


活け花が出来るわけではありません。
花を活けることは誰にでも出来るということ。


出待ち⇒入り待ち⇒見待ち⇒舞台

この順に「しゃん」(香シャン)としてゆくのが見事ですね・・・。
だから「美しい女優」の隠喩でもあるのでしょうね。

昨日の幾つかの授業には、
鶏頭とともに二瓶(にへい・ふたびん)携行しましたが、
生徒諸君には、
その美しさと儚さとを見てほしいなあ🌹。

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白露の九月七日にスーパーの花コーナーで買い求めて、
22日目です。
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ずっと備前焼きの花瓶に活けてありました。
丈の高さは、
さすがに三分の一ぐらいの印象にまで低くなりました(水切り)。

でも「健気(けなげ)」です。
普通は年少者や弱いものが困難に向き合ってゆく強さを称える言葉で、
「殊勝(しゅしょう)」に近いのですが、
ここでは「格別にしっかりとした様子」という意味です。


「殊勝」の方は心がけが感心なことですが、ここでは「とりわけすぐれているさま」で、こちらには
「もっともらしい神妙な様子」という別意もあります。




















折よく、
ずっと以前に在職中の松岡たけを先生からいただいた、
「正岡明」氏の紹介チラシが見つかりました。
氏は「樹木医 作庭家 子規の孫」を自任されています。
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この子規画(仰臥漫録ぎょうがまんろく:死去する前年の1901=明治34年9月・10月の日記が主な内容)にあるように、
子規のじっと見ていた「十四五本もありぬべし」の鶏頭は、
本当は庭先ではなくて、
画中の詞書にあるように、
床屋さん(弟子かも)の持参した「鶏頭の盆栽」だったのです。

すごく大きな盆栽を思わせますね。

野生の鶏頭は、
こんなにひょろっとしながら長身で面長(おもなが)
それこそ健気・殊勝だったんですねえ。

だからこそ子規が、
その生命感のしなやかな強さ(強靭さ)に憧れたのでしょうね。

無骨な美しさと豊かさとを持っています。
「宿痾」(しゅくあ:宿病)と闘いながら、
最期まで花と食を愛し、
「健啖家」(けんたんか:食いしんぼ)でもあった、
子規そのものです。

九月の記事に間に合ってよかった。

子規忌は九月十九日でした。
標題のNP句には「二十日間」と「九月二十日」の意が掛けられています。
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薔薇は初夏の季語ですが、
近年は二季見頃があり、
9~10月にも薔薇園は彩られます。

出待ち、
深紅の、
小薔薇。

薔薇の花言葉は・・・、
花の色だけではなく本(輪)数によっても、
変わるそうです。
また葉にも花言葉があり、
組み合わせの花(今日はカスミソウ)によっても、
空間を統(す)べる(支配する)ので軽々には言えません。

後日の詳述をお待ち下さい。


教室棚に、
透明ガラスの花瓶で飾ります。

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最新入手画像です、
神戸「住吉界隈」。
何も足さない、
何も引かない。
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何も要らない(^_-)-☆。
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