NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2018年02月

神戸市在住ピアニストのかたの、
兵庫県立芸術文化センターで収録された、
「バッハ平均律クラヴィーア*曲集」第一巻全曲リサイタルライヴ録音を、
今朝はずっと聴いています。
第一巻全曲を1時間50分程度で弾いていらっしゃいます。

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・・・というイメージですね早朝に相応しいバロックです。

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先日PIA Julienでゲットしたホールでのライヴ・スケジュールを見ていて、
橋本幸枝さんの「悲愴」に始まるベートーヴェン4大ソナタを是非聴きたい見たい・・・、
梯子してでも・・・と思っていたのですが、
その3月4日は本校第29期一貫生たちの卒業後二回目の同窓会でした。
時間帯もドンピシャ重なっていることに気付きました。







そこは切り替えて、
橋本さんの御出身学舎ゆかりのピアノの先生を存じ上げているので、
早速に随分御無沙汰のメールを送らせていただきました。
「橋本幸枝さんについて教えて下さい」という単刀直入で失礼なお願い。
丁寧に応えて下さいました。
近畿の国公立大学・医学部医学科で学ぶ本校卒業生で、
ピアノやキーボードの上手な(合唱コンクールでの伴奏や指揮も…)息子さんのお母さまです。


「直接教えたことはないけれども・・・中学生の時から彼女のピアノは聴いて知っています・・・」とのことでした。

「・・・ベートーヴェンの演奏会など活躍していますね・・・橋本さんは昔からしっかりしたタッチで素晴らしい音楽性を感じる演奏をしていた記憶があります・・・」と。


なるほど~「しっかりしたタッチ」「素晴らしい音楽性」は、
中高生の頃にすでに確立されるんですね。

教えていただいて有り難うございました。

(ピアノ御専門のかたへのNP=ノーマルパターンで)
『どこかでベートーヴェン』(中山七里)の御感想を聞かせて下さいと、
無茶なリクエストを更にしてしまいました。


「早速読んでみます・・・『さよならドビュッシー』は読みましたが・・・」というお返事で、
また後日を楽しみにしています。
(実はもう御一人、知人でピアノ御専門のかたにも既に貴重な御見解をいただいています、感謝です。)


さて橋本幸枝さんのベートヴェン・・・特に「悲愴」・・・とりわけ「第二楽章」・・・、
とても聴きたかったのですが、
またの機会があるでしょうきっと。

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そこで、
カレンダーを見直すと、
現在は予定空いている25日に、
青井彰さん発見・・・という流れです。

PIA Julien 公式アプリ登録をしてあるので、
演目はいずれ最新スケジュールで配信されることでしょう。

Birthday コンサートなのね、
誰の?そりゃあ御本人でしょうね・・・、
そうだKB先生のお誕生日がすぐの日なので、
彼を誘ってみようかな~でも~う~んんんん。


まあ別に今決めなくてもね・・・、
バッハの響きを1時間以上ずっと聴いていると、
「時の流れ」と「音の流れ」っていったい一緒なんだろうか・・・、
「水の流れ」はどうなんだろう・・・などと感じてしまいます。


そう言えば先日、
高1漢字テストの余白に、
リストの『巡礼の年』「エステ荘の噴水」を絶品として紹介してくれた生徒さんがいて、
すぐにその後の空き時間に聴いてみました。

それはそれは素晴らしい、
「水と音と時の流れ」を感じさせてくれる曲でした。

ずっと聴いていたいですね嵌まりました。
⛲⛲⛲⛲⛲


そして、
今、
「平均律クラヴィーア」には、
部分的にせよ「噴水」🌊🌊🌊「流水」を想わせる極上の旋律がやはりありますね。


青井さんがニシキタの芸文センターで二時間弾き続けた2011年には、
まだNP=ノットピアノでした。


ピアニッシモな一日でありますように。

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*平均律クラヴィーア曲集(へいきんりつクラヴィーアきょくしゅう、原題独: Das Wohltemperirte Clavier、現代のドイツ語表記では独: Das Wohltemperierte Klavier)・・・
ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した鍵盤楽器のための作品集。1巻と2巻があり、それぞれ24の全ての調による前奏曲とフーガで構成されている。第1巻 (BWV846〜869) は1722年、第2巻 (BWV870〜893) は1742年に完成した。
原題の"wohltemperiert(e)"とは、鍵盤楽器があらゆる調で演奏可能となるよう「良く調整された(well-tempered)」という意味であると考えられ、必ずしも平均律を意味するわけではないが、和訳は「平均律」が広く用いられている。
[Wikipediaによる]




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今朝は紅茶、
チョコレートも人気のニューヨーク・マリベル*。

マグカップはこれしかない、
ニューヨーク・ティファニー。

どちらも戴きもの&引き出物。


トーストは超熟・山型、
いつものR‐1ノーマル、
野菜ジュースは現在は、
昼食弁当&野菜生活で、
ハムは何だか忘れた…。
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能書きよりも早起き。


アールグレイに合いそうな、
無伴奏チェロが聴きたくて、
チェロ&ニューヨークで検索したところ、
石川敦子さんというかたのCello Love修業に逢着ほうちゃく

聴けないかなと探しましたがアップ無し、
また後日別の方法で聴いてみます、
あるいは「修業記」を読んでみます。

やはりバッハのプレリュード(無伴奏チェロ組曲 第1番)を聴いています。


*マリベル・アールグレイ・・・
無農薬で栽培し、ナチュラルフレーバーのみを使用したこだわりの茶葉を使用しております。創始者のマリベルが厳選したこちらの紅茶は、彼女自身が1日1杯必ず飲むほどのお気に入りです! スリランカ産の有機茶葉にベルガモットフレーバーで香りを付けた上質な風味と味わいのアールグレイ。ストレート、ミルク、アイスティーでお楽しみいただけるオールマイティーな気品あるフレーバーティーです。
[マリベル公式ホームページより]

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高知の知人で「潮江うしおえアカデミー」塾長の町田純一先生は、
超誠実でハードなお仕事の傍ら、
チェロを習い弾きこなしていらっしゃいます。
そしてパティシエとしても腕を振るって、
塾教室の隣に手作りケーキ・クッキー・チョコ&珈琲紅茶&ランチetcの、
綺麗で上品なお店をオープンしています。
まあ言わば「スーパー三刀流」・・・、
前稿に引き続いて「頭こうべを垂れる」次第です。

昨年夏に訪問させていただいた時の(開業前)店内画像等が、
当ブログにあります。
思い切って再掲。

あれこれ思い出しながら、
「巷間の逸人こうかんのいつじん」(まちなかのすごいひと)とは、
彼のような人なんだろうなと思いを馳せています。

アールグレイの似合うかた、
・・・のようにも思えます、
もちろんプレリュードにも。


いい一日でありますように。
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DSC_1125標題の著者・著作名は、
ドナルド・キーン*の『キーンダイアリー』・・・と読みます。

平凡社から昨年十月に刊行された、
高名な日本文学研究者のエッセイ集です。

正確には帯にもあるように、
「キーン先生と養子の誠己せいきさんの初のエッセイ集」。

教材のひとつとしている『論理エンジン上級編』の、
学年末考査範囲となっている、
「百代の過客」の関連で読んでみました。

文士や著名人や各界に広がる超絶した人脈と、
日本文学への限りなく深い愛情と造詣は、
帰化する前も後も変わらないようです。

東日本大震災への思いの丈や、
戦争反対・原発反対と平和主義の姿勢も、
感情的にではなく穏やかながら論理的明確に読み取ることが出来ます。

最高級にして上質な歴史的認識も太平洋戦争の悲惨を越えてゆきます。

そして戦後日本の実像虚像。

我々は日々一体何をしているのだろう、
情けないことにすっかり忘れてしまい、
逆に日本文化や芸能をこよなく愛する、
コロンビアン(コロンビア大名誉教授)に、
教えてもらうことになってしまったのです。
本当に切ないくらいの有り難さの極みです。

三島由紀夫にノーベル賞を与えなかったことで、
二人の作家を殺したという大岡昇平**の言葉。

この評論家から言ってもらえるととても客観化され、
あらためてその通りかも知れないと思えてきますね。

さらには本当に受賞すべきは谷崎潤一郎だったとの見解も、
なるほど然りと思えてきます何しろ御年九十五歳の超大御所。
三島・川端・大岡・谷崎全てと親交がありました。

論理エンジンに採用され、
かなりのページ数を割き、
繰り返し問われる出家観。

それと似通った精神性も、
優れた三頁ずつの随筆で、
豊かに味わい深く読んで、
「黄犬」のニュアンスも、
伝わってくるから不思議。

養子の息子さんの文章も達意のものです。

頭こうべを垂れて学ぶこと習うこと、
その実直謙虚さが大いに大事だと、
手を変え品を変え時も場所も変え、
何度も何度も波状的に語っていて、
エッセイ集かくあるべしとさえも、
教えられ諭され続けているのです。


沢田研二(反原発)とのやり取りも載っているし実に丸ごと楽しめるので、
熱烈なジュリー(沢田研二)ファンである新倉先生の奥さまに、
3月21日の彼岸に大谷本廟でお会いする時に、
プレゼントしようかしらなどと考えています。


*ドナルド・キーン(1922年6月18日 - )・・・
アメリカ合衆国出身の日本文学者・日本学者。日本文学と日本文化研究の第一人者であり、文芸評論家としても多くの著作がある。日本国籍取得後、本名を出生名の「Donald Lawrence Keene」から、カタカナ表記の「キーン ドナルド」へと改めた。通称(雅号)として漢字で鬼怒鳴門(きーん どなるど)を使う。
コロンビア大学名誉教授。日本文化を欧米へ紹介して数多くの業績があり数多くの大学や研究施設から様々な受賞経歴を持つ。称号は東京都北区名誉区民、新潟県柏崎市名誉市民、ケンブリッジ大学、東北大学、杏林大学ほかから名誉博士。賞歴には全米文芸評論家賞受賞など。勲等は勲二等。2008年に文化勲章受章。また、日本ペンクラブの名誉会員であり、2012年11月26日の日本ペンクラブ創立記念懇談会では演説を行った。
[Wikipediaより、下記も]

**大岡昇平・・・
おおおかしょうへい、1909年(明治42年)3月6日 - 1988年(昭和63年)12月25日 は、日本の小説家・評論家・フランス文学の翻訳家・研究者。
NP注:ここでの「二人」とはともに自裁した三島由紀夫と川端康成を指す。

まずは俳句ではなく食の話題として、
先日の「じゃがいもQ」再録と、
解答です。

Q0
「じゃがいも」の意味を持つ「ばれいしょ」を漢字で書いて下さい。
(漢検準1級)
A0
馬鈴薯

Q1
季語としての「新じゃが」はいつですか?
A1
夏(初夏)

Q2
では季語としての「じゃがいも」はいつですか?
A2
秋(初秋)

Q3
おまけに季語としての「じゃがいもの花」はいつですか?
夏(初夏)

Q番外編
「さつまいも」の意味を持つ「かんしょ」(これも漢検準1級)を漢字で書いて下さい。
(じゃがいも&さつまいも…同じ季節の季語です。)
A番外編
甘藷

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では肝心の標題「初心俳句講座」ですが、
今回は昨朝「徒然草」に興じていたことで丸一日遅れになります。
今後は毎週日曜日午前にシリーズで記して行きますので御愛読下さい。


上記「じゃがいも」の例に顕著なように、
「新じゃが」はもう早生(わせ)が店頭に並び始めていますが、
季語・季節としては夏です。
おそらく現在では早い方が商品価値が高いのでしょうか、
じゃがいもの花も五月頃だとは思うのですが・・・、
「春じゃがいも」と「秋じゃがいも」があって、
前者が普通は「新じゃが」として五月頃収穫となります。
後者は温かい地方に適していて十二月頃収穫となります。


はてな?
今のように「鹿児島産の新じゃが」が二月店頭にあるのは、
どちらでもないですよね。

このように・・・、
「食の旬」を盛り込むのも「俳句の醍醐味」のはずなのですが、
最早、
十二月に「売上げ最盛期(クリスマスケーキ等)」を迎える、
「苺」(本来は初夏)を例に挙げるまでもなく、
本当にズレ切っています。

「ホトトギス系俳句」は「季題」つまり、
「季語の季節」最重視の作句という理念(季語を愛でよ)のようですが、
その季語と季節の関係自体が揺れ揺れという現実があります。


だからこそ基本は、
「歳時記」(季語と代表句解説書)や、
「季寄せ」(歳時記コンパクト版)に、
徹底的にまずは倣(なら)うべきなのだろうと思われます。


季題とは
季節を愛でる
春ああ春



抽象画
高度に描く前にこそ
具象画それを的確に描け


・・・ということです。


そもそも陰陽暦(旧新暦)で、
今ちょうど一か月半のズレがあるわけですからね。
例えば本日2月26日は陰暦の1月11日、
そうです今日から睦月中旬に入るのです。
すなわち「初春の中の頃」なのです。
二十四節気「啓蟄」(けいちつ:本年は3月6日)以降に、
睦月下旬になってゆくということです。

俳句ではありませんが歌で実感してみて下さい。
西行法師が、
あの名歌で詠んだのは「如月の望月の頃」なのです。


願はくは
花の下(もと)にて春死なむ
その如月の望月の頃

(西行:『新古今集』雑下)

この歌の中の「如月の望月」(二月十五日の月)は、
今年の場合だとズバリ陽暦3月31日です。
その日に満開の桜が・・・ありますよね多分。
だから如月中旬が満開の桜の頃なんですよ。


外(と)にも出よ
触るるばかりに
春の月

(中村汀女ていじょ


これも有名な一句です、
ちょうど同じ現在の三月末に当たります。
満月の、
外の夜空にちょっと手を伸ばせば、
さわれそうなくらいに大きな大きな月に、
春爛漫を感じているのです。


月は単独では「秋」(仲秋)の季語ですが、
「〇〇の月」で色んな季節に用いることが出来ます。

これは意図的にズレを楽しむということです。


捜査一課刑事の加賀恭一郎が、
学生剣道日本一だった時から、
NPはよく知っています。

それは勿論東野圭吾作品の中でという意味ですが、
彼がデビューした『卒業』(1986年初刊)は、
トリックの「雪月花ゲーム」の謎が面白くて何度も読み直しました。

とても気になるキャラだったので、
その後独立したシリーズの主役になって、
「やはり」と感じました。

でも『新参者』(2009年初刊)あたりから、
「何か違うな」と思い始めて、
少し遠くなってゆきました。

映画化されたような、
作品遡ってドラマ化されたような、
阿部寛さんのイメージではなかったからです。

では他のどの俳優なのかと言われると、
ドンピシャ嵌(はま)らず困ってしまうのですが、
かなり違和感があって映画もドラマも見ませんでした。

でも今回思い切って初めて「阿部恭一郎」を見て、
彼が何故独身のままなのか何故一課刑事になったのか、
そして何故日本橋勤務なのかと共に違和感も氷解しました。

映画『祈りの幕が下りる時』はMBSラジオで、
映画評論家でもあるパーソナリティ浜村淳さんがかなり長々と紹介されたように、
心底の予想通りに「暗い辛い切ない」作品でした。

生徒には薦めませんね(黙っとこー)、
一人で見に行ってよかった泣くからじゃなく、
阿部寛さんも松嶋菜々子さんも演技力が高く悲し過ぎます。

でもだからこそ、
警視庁へ戻ってゆく(これは所謂いわゆるネタバレでは無いと信じています…)加賀恭一郎は、
阿部寛さんでよかったのだと。

ただ「祈りの幕が下りる時」を迎えてしまったために、
このあとに繋がるライトモティーフが無くなってしまったようにも思えるんですよ、
そこがガリレオシリーズ(福山雅治さん主演)との大きな差異なんですね。

『容疑者Xの献身』について記すチャンス(森田貴之くんの「国語便覧」)が来た時、
偶然ではなく『祈りの幕が下りる時』を見に行く決意が固まったということ、
これは例によって大袈裟ではなく「シンクロニシティ」なんですよ。

分かりやすく言えば、
「偶然の一致に意味を見出すこと」
「意味ある偶然の一致」ですね。

ふう、
まあ、
いい。

でも暗かったな、
辛かったな、
切なかったな。

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