NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2018年02月

DSC_1108
DSC_1110DSC_1112DSC_1114ピアジュリアンは神戸三宮駅すぐの、
クラシックライヴ・カフェバーです。

三宮北交差点の北西角ビル8Fにホール、
9Fにカフェ&バーがあります。

9Fにはスタインウェイが置いてあります、
今日午後は調律師の石橋さんが弾きながら調律されていました。

石橋さんはピアニスト横山幸雄さんの関西での専任調律師のかただそうで、
この日初めてお会いした高曲伸和(たかまがりのぶかず)さんが教えて下さいました。

高曲さんはKBS京都TVで毎週月曜にレギュラー出演番組を持つ、
バリトン&指揮の若い上品な音楽家です。

NP今日午後一人でお店に入り、
カウンター席での珈琲と共に、
手書きの自己紹介メモをいただきました。

帰りがけに交換名刺を、
「御縁がありますように」とお渡しいたしましたが、
本当にジェントル「イケメン」のかたです。

イケメンという代名詞は、
たまたまピアジュリアンの社長の若息子さんがカウンターに同席されていての言葉です。

僥倖(ぎょうこう)ですね、
スタインウェイ調律の響きを具(つぶさ)に聴き取ることが出来、
楽しい話題もあれこれ聞けました。


映画『家族はつらいよ』の、
ピアノ調律師役、
妻夫木聡さんを想い出しながら、
また、
ピアノ調律師の物語、
宮下奈都さんの2016年本屋大賞受賞作『羊と鋼の森』に想いを馳せながら。




3月4日の日曜日夜に、
チラシの橋本幸枝さんベートーヴェン4大ピアノソナタ・ライヴがあります。
DSC_1118
さらに11日のソプラノ・バリトン&ピアノのライヴも、
平昌応援帰りのNK先生と一緒に聴いてみたい。

高曲さんは他のお客が少なかったからか、
ラフなウインドブレーカー姿のNPをエレベーター口まで丁重に見送って下さいました。

参りましたね、
また行くしかないですよね(^^♪。


🎹











DSC_1119
帰宅してチラシとスケジュールカレンダーとに目を通しながら、
ピアノソナタ「悲愴」繋がりをつくづく感じておりました。

先月来の、
チョソンジン-清塚信也-『どこかでベートーヴェン』-ピアジュリアンですね。







中山七里さん作『どこかでベートーヴェン』、
別稿で「悲愴」の謎解読に迫ってみます。


カフェを出たNPはミント神戸のシネコンへ。
そこは、
東野圭吾さん原作『祈りの幕が下りる時』の幕が上がる時間でした。





DSC_1107















今朝はずっと
徒然なるままに「中世スノビズム」に考えを巡らせていました。

スノビズム(snobbism)とは俗物的態度・俗物根性のことです。
「紳士気取り」と訳すこともあるようです。

本棚から、
『方丈記/徒然草』(岩波書店:新日本古典文学大系39)と、
『絵本徒然草』(河出書房新社:橋本治・文/田中靖夫・絵)とを、
参照しました。
(これもある意味でスノビズムかな(◎_◎;))


国語総合の古典教科書で、
徒然草(全243段)のパーツを扱っていたのですが、
「狛犬と獅子(236段)」や「猫また(89段)」という有名な章段がありました。

「狛犬と獅子(丹波に出雲といふ所あり)」の話は・・・、
上人(しょうにん:仏道修行の上級正職者)が神社参詣ツアーを主催するんですね、
しかも「ぼたもちを御馳走しましょう」と言ってですよ…おそらく「ツアーお布施」を献金させているんでしょうね…お社(やしろ)御前の狛犬と獅子がなぜか背中合わせに置かれているのに感動して「意味ありげ」を讃え一同に共感を迫る上人…神官が通りかかって「単なる子どもの悪戯」と言ってサッサと向きを直すというオチ。

「猫また(奥山に猫またといふものありて)」の話は・・・、
「連歌に遊び興じた法師」が帰宅途中に伝説の妖怪に襲われるというミステリーですね、
主人公の何阿弥陀仏(なにあみだぶつ⇒いい加減なネーミング)法師が「猫また」妖怪の噂を知りながら…夜道で連歌会の懸賞品(たぶん賭けてるんですね)を「うはうは(NP補足語)」抱えて自宅(?出家したんじゃないの?)に帰るんですね…襲われて小川に落ち賞品共にズブ濡れ…「はふはふ(這うように)」戻ると…化け猫の正体は主人と知って飛びついてきた自宅の飼い犬(なぜ?番犬?)だったというオチ。

・・・このように、
登場する法師の立場に相応しくない「厚顔無恥」や「無知蒙昧」(むちもうまい:物事を知らず知識に疎いこと)を、
近現代の評論用語で言えば「スノビズム」を、
あたかも僧職者を自嘲的に揶揄批判するかのような文章は沢山あるのです。


特に「仁和寺の法師」に関する記載は連作的に語られ、
52段の「石清水八幡宮で本尊参拝に失敗する勘違い法師」
53段の「酒宴で被った鼎かなえが抜けなくなる馬鹿者法師」
54段の「可愛い稚児を紅葉狩りに連れ出す意図外れ法師」
に顕著です。

そこには「本地垂迹(ほんちすいじゃく)説」という考え方が微妙に絡まった話題もあります。
ざっくり言えば「神仏融合思想」のことで、
上出の「狛犬と獅子」もそうですが・・・、
「石清水八幡宮」に参詣する仁和寺法師も同様です。
霊験あらたかな八幡宮を参拝しようと…参道途中にあったお寺を参拝し…それで満足して帰るんですね…さらに上(本尊がある)に登る人のことを何だろうと…訝(いぶか)しみながらというマヌケ。

「男色(だんしょく)僧」という仏職者の外道が見え隠れする逸話もあるようです。
はっきり言えば「ホモ仏道」のことで、
「御室(おむろ)にいみじき稚児のあり」の可愛い稚児といやらしく遊ぼうとする法師がそうです。
事前に紅葉落ち葉の下に隠した「破子(わりご:弁当箱)」で…連れ出した稚児の気を惹こうとしますが…すでに目撃者によって盗られているなどとはつゆ知らず…恥をかくというゲドウ。

オムロで何をやってるんでしょうね!?

・・・・・・・・・・・・

さてさて・・・、
御室とは御所のこと、
御所とは現在の京都御所だけではなくて、
法親王(出家した親王・内親王)がいらっしゃる「御在所」の意味です。
(帝のお子様は男子が親王で女子が内親王)

この御室が「御室桜」(おむろざくら)というネーミングに繋がるのです。
「みむろざくら」は間違った読み方だそうです。
三室桜(みむろさくら)は奈良斑鳩(いかるが)の三室山の桜です。
御室桜は「遅咲き桜」として京都では人気があるそうです。
伊藤園の「お~いお茶」再掲です。
DSC_1092


仁和寺は光孝天皇の勅願で建立(こんりゅう)が始まるのですが、
完遂(かんすい)を待たずに光孝天皇は崩御(ほうぎょ)します。
55歳で即位した「遅咲きの帝」で「仁和年間」の三年余りが在位期間でした。


またまたすっかり「ライトモティーフ」的な文章連鎖になってしまいました。


仕舞いに、
その光孝天皇の有名な、
小倉百人一首の歌です。

若い頃の作とすれば「君は恋人」、
歳を重ねての作ととれば「君は吾子」(あこ:我が子)、
・・・と諸説あるようです。


君がため 
春の野に出でて 
若菜摘む
我が衣手に 
雪は降りつつ 

光孝天皇(15番)『古今集』春21



























★★★★★

ネット上の論文記事で中田由記氏(なかだ ゆき 東京都立一橋高等学校 数諭)の、
「『徒然草』に描かれた法師」を非常に優れた参考文献として読ませていただきました。

序文から一部分のみ引用させていただきます。

・・・・・・
『徒然草』は、その数え方には諸説があるが、二四三段に分ける考え方が多い。そのうち出家者について言及し、出家者が登場する章段が八〇段程あり、全体の約三分の一にあたる。
・・・・・・
出家した人物の逸話ばかりではなく、『徒然草』には種々の呼称で出家者が描かれる。「法師」をはじめとして、「聖」「大師」「法印」「僧正」「僧都」「律師」 「僧」 「上人」 「入道」 「房」 「阿閣梨」 「和尚」 「座主」 「禅尼」 「尼」「禅師」「沙門」「説経師」「道心者」「世捨人」「遁世者」「道人」「ぼろぼろ」などであり、兼好は出家者について、僧官、僧位、俗称、職名など幅広く取り上げており、彼が生きていた当時の社会における出家者の様相を知ることができる。その内、兼好は「法師」という呼称を一番多く用いている。






高槻時代の教え子で京大文学部へ進んだ森田貴之*くん、
現在は南山大学准教授で名古屋にいらっしゃるのですが、
数研出版から「プレミアムカラー国語便覧」を刊行され、
有り難く嬉しいことにNP自宅に郵送して下さいました。



感動
綺麗で
見やすく
判りやすく
中味詰まった
極上監修の逸品


【NP速報「視野ひろし」のコーナー】
巻末索引で「ひ」に行ってみましたが、
ありました「東野圭吾」赤字扱いです。
代表的推薦図書はやはりあの一冊です。

さてそこでQです。

現代作家のコーナーで燦然、
カラー写真入り単行本紹介、
さてその「東野コレ一冊」、
最下方に即回答ありますが、
一体何でしょうか容易です。
それはもう「純文学」です、
勿論映画も忘れられません、
かくも美しい純愛の物語…。


【肝心の森田貴之先生のコーナー】
中世の軍記・歴史物語の専門家です。
NP予備校時代だから15年程前に一度、
高知へ遊びにきてくれたことがあり、
当時住んでいた土佐山田の家に一泊、
そう現在は奈良学園の社会科主任の、
同じく教え子の野村幸宏くんと共に、
深夜まで語り合った記憶があります。


青は藍より出でて藍より青し**


じっくり閲覧(!)させていただいて、
御礼の「手紙」(!)を差し上げたく、
本日は速報ご紹介のみ掲載いたします。

NP中一担当だったら即採用したいなあ、
本校では高校用便覧を中一で持ちます。


森田くんは直筆の一筆箋を添えて、
今年はお会いしたく思っています、
そう書いて下さいましたやったね。
『太平記』を熱く語る姿見たいな。


久し振りに名古屋まで行くよ、
海老フライを一緒に食べよう。

南山大学は曽野綾子『太郎物語‐大学編‐』の舞台となった名門ですね。
でも以前いただいた賀状によると、
大学側は「太郎物語」を宣伝材料にするつもりは全く無し、
…とのことでしたね。


時代も大学もどんどん新しくなってゆきます。
新しい時代と大学に中世近世を歴史を軍記を、
しっかりと語れる学究者である教え子を持ち、
心から光栄に思っています本当に有り難う(^^)/。


DSC_1106










































*森田貴之(もりたたかゆき)・・・
[長期研究]
テーマ:軍記物語を中心とする中世文学研究
内容:鎌倉・室町期に成立した軍記物語を文献学の方法に基づき研究する。現実の事象をどのように認識し、どのように文学作品として昇華させているのか、歴史学の成果をふまえた史実との対比や引用説話の分析等を通して、歴史叙述の手法を分析する。また、近世・近代の文学・思想に与えた影響からも、軍記物語の文学史上の意味を考えていく。
[短期研究]
テーマ:中世散文作品の漢籍・仏典受容の研究
内容:和漢比較文学の観点から軍記物語や歴史物語等に分析を加える。特に作中の引用説話や引用漢詩句等に注目し、その出典および受容形態、引用意図を検討し、作品の製作状況・成立過程を追求する。同時に、他の古典文学作品との比較によって、作品の位置づけを問う。
[趣味・特技など]
台湾ドラマを見て中国語の勉強をすること
《南山大学・公式ホームページより》


**青は藍より出でて藍より青し・・・
《「荀子」勧学から》青色の染料は草の藍からとるが、それはもとの藍草よりももっと青い。弟子が師よりもすぐれていることのたとえ。出藍(しゅつらん)の誉れ。
[デジタル大辞泉より]


「東野コレ一冊」は?
A:『容疑者Xの献身』
東野圭吾の推理小説。ガリレオシリーズ第3弾。2003年から文芸誌『オール讀物』に連載され、2005年8月に文藝春秋より出版された。2008年8月には文春文庫より文庫化された。
第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞受賞作。また、国内の主要ミステリランキングである『本格ミステリ・ベスト10 2006年版』『このミステリーがすごい!2006』『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』においてそれぞれ1位を獲得し、三冠と称された(のちに前出の2賞を取り、最終的に五冠となった)。
[Wikipediaより]




神戸に越して丁度一年、
この日早咲きの啓翁桜、
満開画像を撮りました。

DSC_1105















































ネット記事をサーフィン、
素敵なメッセージがあり、
援用させていただきます。


「啓翁桜は、春を告げるお花と言われています。 花言葉は、純潔、淡白、精神美。頑張っている受験生に、サクラサク願いを込めてのプレゼントにも最適なお花です。 啓翁桜で、一足早く、春を感じてみませんか?」
【「お花屋さんの手帳」より編集】


そうですね、
いよいよ国公立大学二次試験本番の日を迎えます(25~26日)。


受験生の皆さんへ。

今までやってきたこと、
関わってきた全ての人、
信じて信じて何よりも、
誰よりも勿論君自身も。


頑張れーガンバレーがんばれー。
(^o^)丿(^o^)丿(^o^)丿




桜咲け
一足早く
桜咲け
あれだけやったんだ
君は負けない
(宏)



世界の、
五輪の、
大舞台。

沢山の沢山の声援を受けて、
抱えきれないような思いと、
背負いきれないまでの重圧、
すべてをエネルギーに変え、
本当によく頑張りましたね。

神戸を地元として神戸の中学・高校・企業に、
在籍し所属してきた高校生の溢れんばかりの、
全身全霊でのフィギュア・スケーティングに、
心からの感嘆と賛辞と感謝とを贈りたいです。


神戸に住まいして丁度一年になる2月23日に、
またひとつ神戸に戻ってきたよかったと思う、
そんなわくわくドキドキの一日になりました。

実際の登場は13時半過ぎだったようですから、
こちらも授業中で全身全霊(大袈裟)なので、
勿論後で知った見た喜んだメールしたのです。

💐

頑張りましたね、
6位入賞おめでとうございます。
先生も応援お疲れさまでした。
おみやげ話を楽しみにしています。
食事しましょう。
【NP⇒応援団のお一人】

少し前までオリンピックに出場するのは、
はるか向こうの憧れだったのが見事に存在感を示してくれました。
帰神したら連絡します。
【応援団のお一人⇒NP】


応援するって、
ホントにいい。

生徒たちには、
「応援する人は応援される人に、感謝する人は感謝される人になれるよ」
そう言っています。



このページのトップヘ