NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2019年02月

NP自身もまだまだ「チーム裾野」
(夏井いつき先生の言葉ですね)
一員に過ぎませんが意気軒昂に
厚かましくも「代表」を名乗り、
「講評」「添削」なんちゃって。
(最下方におススメの一冊画像)

裾野にて初音やうやう登り初め
(NP宏)

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【兼題の部:「暖か」「温(ぬく)し」】
《佳作賞》
倉庫裏温し夕日の午後四時半
(CosmoS)

[講評]
とてもいい「写生の句」ですね。
「時場人物事情」と
「今・此処・我」と、
全てが揃っています。
時:春先の夕方
場:倉庫裏
人:仕事師
物:夕日(汗拭きタオル・フォークリフト・缶コーヒー)
事:仕事上がりを控えて座っている様子
情:充実感(虚脱感)・安堵感

四季の体感を表す季語として、
夏の「暑し・涼し(内在対比的)
秋の「冷やか・冷ゆ(冷える)
冬の「寒し・寒気」そして、
春の「暖か・温し」があります。

NP句会では今まで「入選」はありましたが、
「入賞(まずは佳作賞)」は初めてのこと。

見たまま感じたまま素直な描写、
いい意味で肩の力の抜けた佳句。
御自身の代表句のひとつとして、
是非共大切になさってください。

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【兼題の部:「鶯」「初音」「春告鳥」】
〈入選〉
鶯と着慣れぬ衣装門くぐる
(北斗七星)

これも春の「入選」に相応しい句です。
「二物衝撃」で春スタートの初々しさ、
緊張感と期待感などが伝わってきます。

何の門をくぐったのでしょうか。
入門・入学・入信いろいろあり、
これも「今・此処・我」が揃い、
聴覚・触覚・視覚を擽(くすぐ)り、
「躍動感」をも読み取れる一句。

ちなみに「鶯」は冬・春・夏と、
三つの季節で使い分けする季語。

冬:「笹鳴」「笹子」(笹藪の中)
春:「鶯」「初音」「春告鳥」(梅の枝)
秋:「夏鶯」「老鶯(ろうおう)」(山の中)

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【自由題・無季・自由律の部】
〈入選〉
安酒を旨く呑むすべ覚えたり
(俳人28号)

「前書」が付いていて、
「…心許せる友とカラオケで岡林信康
の山谷ブルースを歌いて詠める」です。
…そう言われると労働者のブルースが
聴こえてきそうな「リアルな句」です。
処世の術(すべ)として「安くても旨い」
のは有り難いこと…「我が意を得たり」
が感じられる「エレジー(哀歌)句」。


あらためて「おめでとうございます」。
次回のご応募と「初心俳句集団」即ち
「チーム裾野」へのお知り合い勧誘を、
引き続き何卒宜しくお願いいたします。

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添削を少しだけさせていただきます。

溜め息のふたつ重なりて朧月

溜め息のひとつふたつと朧月

〔理由〕
実感を虚空に浮かべる面白味。
「ふたつ重なり」の限定だと、
何が二つなのか気になります。
「朧月」と組み合わせるには、
淡くぼんやりしていることも
有効なのではないでしょうか。
「ひとつ…ふたつ…みっつ…」
と鑑賞者の自由に委ねる方が、
溜め息も「おぼろげ」になり、
言葉も柔らかく繋がりますね。


鬼の母節分以外も鬼のまま

鬼の母節分過ぎて鬼のまま

〔理由〕
思わず微笑んでしまいます。
「以外も」ですから一年中。
句意は「鬼役をした母」が、
そのまま「鬼のママ」だと
洒落ている俳諧的な滑稽味。
添削後の「過ぎて」の方が
「その後もそのまま…」の
ニュアンスが伝わるのでは。


暖かき流水求め動く森

温かき流水の上森動く

地中見えない「流水」を「暖かき」
とするダイナミックで面白い句…。
動詞を一つに絞り込む方がよいの
ではないでしょうか…「動く森」
の語順を変えて「S+V」にして、
「蠢(うごめ)き」をイキイキ演出。

添削いかがでしょうか
また懲りず是非ご投句
をとお待ちしています。

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【次回予告】
第五回「NP組ネット句会」兼題の
発表は春土用の4月17日
になります。
公募の期間は4月17日~5月21日
「小満」迄と長くします計35日間。


兼題は三つ予定していますが、
自由題の部では「春・夏」の
句を中心に幅広く公募します。
その期間を特に限ることなく、
常日頃からのご精励あるいは
不意に思い付いての「偶成」
などをご自由にコメント欄に
ご投句の程お待ちしています。

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ゐまちづきは
陰暦18日の月。

前夜の立待月を受けて
月の出が更に遅くなり、
座りながら待つ月です。🌖

陰暦睦月十余り八日の月、
陽暦で2月22日夜の月は
翌朝に有明の月6時45分、
西の空やや高く残月とも。

但し季語としては
仲秋になっていて、
何とも融通効かず。


西の空仰ぎて二月居待月
(NP宏)

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芋蔓式
関連性
リンク
として
本を読みます、
読み続けます。

努力だとは思いませんが、
努力していないわけでは
ありません多分そうです。

『古事記』読み始めました、
私淑している福永武彦の訳。

他の物語も入っていますが、
知人リクエストで貸出予定。

そのかたは御朱印帳携行で、
神社⛩️巡りも楽しむタイプ。

教えていただくこと多くて、
逆に関西の神社本借り出し。

ゆっくり時の流れを揺蕩う
(たゆたう)ように読んで、
神話のロマンを味わいます。

粘り強く、
あのころ
なかなか
読めずに
いたまま
の一冊を。

今だから
読めます。

読んだら
参りたく
なります。

努力ではない、
でも努力かも
知れないから、
楽しき哉人生。

【追句】
『古事記』読む窓辺に日脚伸びにけり
(NP宏)


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それがそのジャンルの本の
ステータスを上げるのです。

オペラ曲には及ばなかった
交響曲の地位を上げるため、
18世紀の作曲家たちは視聴
する大衆が知的教養を持ち
たくなるような取り組み方
を粘り強く続けたそうです。

その結果交響曲の今がある。


ラノベのシリーズ本
プレイヤーズ・データ本
哲学者の芸術鑑賞本

聖地巡礼再読
シーズン購読
臨床哲学初読

いずれも粘り強く読みます。

下方には学生時代に収拾し、
揃え切れなかった筑摩書房
現代日本文學全集の再整理。


土筆の芽見つけるやうに本を読む
(NP宏)

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三柑や序破急の人生に香る
(NP宏)


いろんなことを乗り
越えて春は春ですね。

にっこり笑うというほどの
ことして一生過ぎるんですねえ
(中原中也「春宵感懐」)


今、
艱難辛苦(かんなんしんく)
の直中にある人は幸せです。


いい予感八策でコホン咳をする
(宏川)

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