NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2019年11月

今現在 
仕事は休養をいただいております。

この後
休養入りさせていただく直前には
upできる予定だった三つの記事を
短時間公開してから当ブログ全体
を「工事中(休養中)閉鎖」にと
処理して当面の間お休みをさせて
いただきます。

又必ず
元気になって戻って参りますので
その時には変わらずにご訪問くだ
さいますようお願い申し上げます。




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兵庫県立美術館(阪神岩屋駅 南)の
「ショパン一200年の肖像」展で
美術と音楽のコラボを堪能です…。

音声ガイド一覧にあるように
No.1~30各1分ずつ挿入楽曲
と共に聴くだけで約30分です。




エチュード(練習曲)から入り
スケルツォ(諧謔曲)を交えて
ポロネーズ(ポーランド風舞踊歌曲)
プレリュード(前奏曲)を経て

マズルカ(ポーランド民族舞踊曲)
そして
ピアノコンチェルト(協奏曲)
バラード(譚詩曲)
バルカローレ(舟歌曲)

仕舞いに
エピローグ(終章)として
ワルツ(円舞曲)

極めて緻密でバラエティーに富んだ
興味深く楽しい構成となっています。

その間ずっと…幾相にも
画かれている(主に三相)
肖像画を初めとして…

エッチング・油彩
シルクスクリーン
リトグラフ・水彩
ドライポイント
クレヨン・鉛筆
アクリル・ブロンズ
写真・紙・木版
カラー印刷・書籍
銅版・アクアチント
インク・金銀メッキ

等々の多様な作品が
184点も陳列されて
いい意味で通り抜け
至難の最低三時間物
集中力必須で疲労感
を心地よく覚える…
連作長編物語ロマン

それがこの
ショパン展。

曰く体調不良が
身の引き締まる
朔風(北風)の中
吹っ飛ぶような
目の当たりにし
耳に響いてくる
美術と音楽とで
ロマン派の一極🎵
ショパン三昧の
午後… 感激感謝。


栄光と熱愛悲嘆冬の三相
(宏)


🎵・・・
ロマン派(1800年~1914年)
初期:シューベルト、ウェーバー
盛期:シューマン、メンデルスゾーン、ショパン
後期:リスト、ワーグナー、ヴェルディ、ブルックナー、ブラームス
世紀末期:マーラー、プッチーニ、リヒャルト・シュトラウス
(Wikipediaより編集)



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1995年に『ノルウェイの森』
と出会って20年以上 直接に
日本語から村上春樹作品を
デンマーク語に訳してきた
翻訳家のメッテ・ホルムを
追いながらの幻想的な60分
のドキュメンタリー映画。🎦



" 完璧な文章などというものは存在しない
完璧な絶望が存在しないようにね "


…というエピグラムが全編で生きています。


「オマージュ」献呈作品とは
かかるリスペクトに包まれて
作家・翻訳家・製作者たちに
さらには作中に描かれている
時場人物事情にシンパシーを
抱かせてくれるものだという
心地よい思いに浸りながら…
村上春樹ゆかりの神戸は元町
シネリーブル神戸で観ました。

10月19日からのロードショー既に
休日でも朝イチのみで観客まばら
NPも上映を知り得た僥倖に感謝…。


だからこそ「完璧な翻訳」を求めて
「独り平行世界(パラレルワールド)を

旅する」翻訳家の思いが深く静かに
伝わってくるようで… 月並みですが
「観る人を選ぶ映画」なのでしょう。


ニテーシュ・アンジャーン監督
2018年Hot Docs観客賞 受賞作は
村上春樹作家活動40周年記念…。

エンディングは2016年村上春樹
アンデルセン文学賞受賞の時に
デンマーク王立図書館舞台上で
受賞者と対談直前楽屋のホルム。


完璧な冬有りや村上春樹
冬の猫内なる声の春樹かな
大都市で冬眠をせずかえるくん
(宏)


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文化祭振替代休日の午後は
暫くぶりの住吉川ウォーク。

小春日和に相応しい晩秋と
初冬との硲で秋土用も終盤。


龍田姫探し住吉川上る
山並みも街並みも去る龍田姫
(宏:旧拙句と新拙句)


行きと帰りと
訪れた順に…。





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東灘図書館(祝日代休翌日…予知)
旧谷崎邸(土曜日曜に開邸…既知)
レストランモーヴ(定休日…初知)
アイスの鈴木商店(同上…曖昧知)


されど清流住吉川のせせらぎは
変わらずに心地好い昼下がり…
気分転換には最適ウォーキング。🚶‍♂️


JR住吉駅近い住吉橋にて
南の海と北の山に向かい…。



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廃市:はいし

昭和35年(1960年)7月刊行で
単行本の巻名となった第一短編
55頁余の作品で福岡柳川が舞台。

ライティングデスクの硝子扉内
から呼んでいるような声がして
多分十数年ぶりにじっくり読書。






















エピグラム(本文前の詞書き)に

……さながら水に浮いた灰色の棺である。
         北原白秋「おもひで」

とあります・・・廃市は福永の造語かと。


男子大学生が卒論を書く勉強と避暑の為に
水郷・柳川(作中には「その町」とのみ…)
に滞在した一か月間の出来事(最後は悲劇)。


エピグラムで作品舞台も明らか…
北原白秋(明治18年生誕で同34年
16歳時に柳川大火)は無論のこと

夏目漱石(『こころ』の表現手法)
芥川龍之介(重要登場人物の設定)
太宰治(上記人物状況設定や文体)
堀辰雄(抒情的ロマネスク*表現)
川端康成(美しい日本の哀愁描写)

…等との関連性・系譜性を感じ
これが所謂「日本文学」かと…。

ミステリーとしても最後の一頁
の「謎解き」は情感たっぷりで
東野圭吾さんに通じるものも…
福永は探偵小説の愛好家でした。
(創作『加田伶太郎全集』一冊)


さらには作品鑑賞や評価を繙くと…
映画『廃市』(1983年:大林宜彦)
と合わせて…
名画『ヴェニスに死す』(1971年
:ルキノ・ヴィスコンティ監督)
に因んでは…
オリジナルサウンドトラックの
グスタフ・マーラー交響曲第5番
等々どんどん
文学以外へ日本以外へとベクトル
リンクが広がり最初は面白くも…
「知っておくべしシンドローム」
に襲われ…逆に不自由になります。


読み返してみてしみじみと思った
ことは…かつての読みは実に浅薄
で何にも分からなかった気付かな
かった…「読めていなかった」か。


でも同時にこれは「再読の醍醐味」
文化祭振替代休・午前中の過ごし
方として日本文化を少しく考える
意味ではよかったかなと独り言…。


水郷はやがて運河になるでしょう
舟に乗り運河を越えて旅に出たく
なりました…秋には読めなかった
一冊を携えてゆくのもいいですね。

三日後は立冬…読書の冬もいいね。


秋の日に寝転んで読む舟の上
運河越え読む一冊に冬の濤(なみ)
冬よ来い相応しき作家と籠る
(宏)



*ロマネスク(英: romanesque)・・・
建築、彫刻・絵画・装飾、文学の様式の一つ。建築用語および美術用語としては、10世紀末から12世紀にかけて西ヨーロッパに広まった中世の様式を指し、文芸用語としては、「ロマン(仏: roman)」から派生し、奔放な想像力によって現実の論理・事象の枠を飛び越えた幻想的な性質を指す。
(Wikipediaより編集)

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