NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2019年11月

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廃市:はいし

昭和35年(1960年)7月刊行で
単行本の巻名となった第一短編
55頁余の作品で福岡柳川が舞台。

ライティングデスクの硝子扉内
から呼んでいるような声がして
多分十数年ぶりにじっくり読書。






















エピグラム(本文前の詞書き)に

……さながら水に浮いた灰色の棺である。
         北原白秋「おもひで」

とあります・・・廃市は福永の造語かと。


男子大学生が卒論を書く勉強と避暑の為に
水郷・柳川(作中には「その町」とのみ…)
に滞在した一か月間の出来事(最後は悲劇)。


エピグラムで作品舞台も明らか…
北原白秋(明治18年生誕で同34年
16歳時に柳川大火)は無論のこと

夏目漱石(『こころ』の表現手法)
芥川龍之介(重要登場人物の設定)
太宰治(上記人物状況設定や文体)
堀辰雄(抒情的ロマネスク*表現)
川端康成(美しい日本の哀愁描写)

…等との関連性・系譜性を感じ
これが所謂「日本文学」かと…。

ミステリーとしても最後の一頁
の「謎解き」は情感たっぷりで
東野圭吾さんに通じるものも…
福永は探偵小説の愛好家でした。
(創作『加田伶太郎全集』一冊)


さらには作品鑑賞や評価を繙くと…
映画『廃市』(1983年:大林宜彦)
と合わせて…
名画『ヴェニスに死す』(1971年
:ルキノ・ヴィスコンティ監督)
に因んでは…
オリジナルサウンドトラックの
グスタフ・マーラー交響曲第5番
等々どんどん
文学以外へ日本以外へとベクトル
リンクが広がり最初は面白くも…
「知っておくべしシンドローム」
に襲われ…逆に不自由になります。


読み返してみてしみじみと思った
ことは…かつての読みは実に浅薄
で何にも分からなかった気付かな
かった…「読めていなかった」か。


でも同時にこれは「再読の醍醐味」
文化祭振替代休・午前中の過ごし
方として日本文化を少しく考える
意味ではよかったかなと独り言…。


水郷はやがて運河になるでしょう
舟に乗り運河を越えて旅に出たく
なりました…秋には読めなかった
一冊を携えてゆくのもいいですね。

三日後は立冬…読書の冬もいいね。


秋の日に寝転んで読む舟の上
運河越え読む一冊に冬の濤(なみ)
冬よ来い相応しき作家と籠る
(宏)



*ロマネスク(英: romanesque)・・・
建築、彫刻・絵画・装飾、文学の様式の一つ。建築用語および美術用語としては、10世紀末から12世紀にかけて西ヨーロッパに広まった中世の様式を指し、文芸用語としては、「ロマン(仏: roman)」から派生し、奔放な想像力によって現実の論理・事象の枠を飛び越えた幻想的な性質を指す。
(Wikipediaより編集)

文化祭では
「俳句甲子園三校模擬戦」(展示教室)以外
NPはクラス模擬店ばかりにおりました。

昨年全く入れなかった苦い経験があり
今年は何を手伝うというわけではなく
正門くぐりすぐの店にずっといました。

文化とは何か
ずっと思いを
馳せては消し
てを続けて…。


オモテナシという言葉は
言霊的には「裏ばかり」
不思議ですね…裏の努力
そして裏方の尽力のこと
…なのでしょうか… 表無。

・・・・・・・・・・・・

それにしても審査員の皆さま
原和人先生・平石和美先生と
甲斐千晶先生・仮屋賢一先生
森本晋先生…お越しくださり
貴重かつ的確なご高評を賜り
感謝しております…審査員の
採点評価シートはコピー共有
三校生徒で学ばせて戴きます。
ありがとうございました。

・・・・・・・・・・・・

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正面玄関エントランス入って
すぐのところに「華道合作」
が出迎えてくれました…唯一
撮った校内画像です…菊主枝。









帰りの快速最寄り駅の久しぶり
花ギャラリーは黄百合でした…
百合は全般的に夏の季語なので
この「ゴールデンタイクーン」
と呼ばれる大ぶりの黄色い百合
には少し違和感がありましたが
華麗かつ清冽で人目を惹きます。
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「黄百合の花言葉」を繙(ひもと)くと
…黄色の特徴を物語るように…
「陽気」「偽り」となっていて
花ギャラリーに今飾られた季節
感も花言葉も何だか陰陽裏腹で
コントラスト・対比をイメージ。


う~ん…文化とはいったい何か?


とりどりの花の合作にも似て
ダイバーシティ(多様性)なの
でしょうか…模擬店での行列
そして盛況混雑ぶりには瞠目。

ただ…校内の展示やアリーナ
での催しものを見て回ること
のなかったクラス担任・部活
顧問としては忸怩(じくじ)感。




・・・・・・・・・・・・

「文化祭」は季語としては
「文化の日」の傍題になり
…秋の行事ジャンルで晩秋。



オモテナシ裏も見せずに文化祭
青春の光には影文化祭
文化見る間も無く文化祭終はる
花言葉も季節も違ふ黄百合かな
(宏)








川下り水郷の福岡柳川に
北原白秋は明治18年生誕。

昭和17年11月2日早朝に
窓を開けて「新生だ」と
叫んで亡くなったそうで
57歳… 詩人で歌人で童謡
・民謡作家で句集も一冊。

忌日に因んで青空文庫…
いつ読んでも象徴的美文
は購読と読みがな学習に。

『邪宗門』
『思ひ出』
『桐の花』

句集「竹林清興」に
白・秋の入った一句
を発見しました。👀

行く秋や風白うして象(すがた)あり
(白秋)


標題句は白秋作詞
我が母校
関西学院大学校歌
「空の翼」
の一節…🎵

風  光  力  若きは力ぞ

…を準(なぞら)えています。

ただそれだけの句。
(今月には一年ぶりに大学学友
同窓の「悪友会」をやります。)

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明日は本校文化祭で
文芸部は俳句&小説
俳句甲子園の模擬戦。

洛南高校と灘高校が
来てくれて三校戦を
生徒主体でやります。

俳人の
原和人先生
平石和美先生
同じく
俳句甲子園の
全国スタッフ
甲斐千晶先生
仮屋賢一先生
お見えになり
審査員お願い
しております。


OGOB諸姉諸兄… 
来てくれるかも。(*^O^*)


最初のご挨拶以外は
生徒たちがやります。


若きは力ぞ🎵🎵🎵


今年度は史上最大くらいに
NP 何にもしておりません…。

口を出さない
手も出さない
但し…
「これは経費で落ちますよ!」。


どうなることやら(^^;。


極上の大甘和栗モンブラン
(宏)


追記…
なおクラス模擬店はNP案の「塩焼きそば」
その後否決されて「チーズタッカルビ」に
なりました (^^; …とても美味しい…是非共
お立ち寄りを…若きは力ぞ~。\(^^)/

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