NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2021年04月

俳句雑誌「奎」同人のかたで
句会で何度かお会いしたこと
ありますが… もう枚方を本拠
とする奎のライブ句会自体が
コロナ禍の中でずっと不開催
になっているので…季刊「奎」
の連載や十連句をお見受けし
… 此度の御上梓をおめでとう
ございますと 申し上げます。

俳人の神野紗希さんが帯表に素敵な
推薦文を寄せていらっしゃいます…
「あたらしくって、なつかしい。」
4月27日第一刷刊行となっています
福岡市の出版社「書肆侃侃房」から
… しょしかんかんぼう と読みます。


俳句を始めた2009年から2020年までの
385句を各ページ三句ずつ配しての
とてもやさしい気持ちになれる句集…。

気合いと気負いと気取りに塗(まみ)れた
俗人には遥か手の届かない聖域にあって
… ことばを弄(いじ)っていないのがいい
そんな気がします… キャリアのある若手
「口語の瑞々(みずみず)しさ」弾けます。

Ⅱ (第2章)「水」の秀逸…NP好きな句を
…「どう読んでいただいても、あなたの
解釈が正解だと思います」と「あとがき」
で仰る木田智美さん… 贈っていただいた
御礼とともに申しあげようと思います。


《春の雲だれかが描いたキリンの絵》

《水に陽がさしてイルカの名は疾風》


ジェイソン・ポランと「NARUTO」を
想起してよいのでしょうか… 恣意的な
読者であり同人者でもありたいと願い
…益々のご活躍心より念じております。


【パーティーが明日なら間に合う暮春】
【キミむかしイルカビーチを跳ねていた】
【春の夢キリンは女性名詞なの】
(NP宏)


IMG_20210429_143950



【 散文詩「架橋黄昏」】

橋の上はそのまま駅前広場に繋がり
最寄りの快速停車駅そして構内へと
通じています… 幾筋もの飛行機雲に
大阪市方面への西日夕景… オレンジ
の黄昏(たそがれ)色はゆったりした
河の流れに吸い込まれてゆきます…

春がゆっくりゆっくり流れ去ります

緊急事態宣言発令の翌日… 週始めの
花粉症のためのアレルギー科通院
「勝手ながら当分の間休診します」
クリニック玄関シャッターの貼り紙
に少なからず心騒がせて上ってきた
スロープから架かる橋に視界広がり
… 暫しの浮世離れに揺蕩っています  ((😖))


【幾筋の別の人生あったろう
          飛行機雲の架橋黄昏】


【勝手ながら春もお店も閉まります】


【泥の河宮本輝の住んだ街
            夢見通りにシャッター降りる】


【静謐(せいひつ)をキリンは愛す春の夢】


【どうすれば夏への扉敲(たた)けるか
            映画にはその答えはあるか】


俳句甲子園の地方予選 兼題句
送信提出期限まで丁度 二週間
「春泥」「囀り」「木の芽」
みんながんばれ~がんばって
るのは知ってるけど頑張れ~


【文芸の河を揺蕩う暮れの春】((😖))


((😖))
揺蕩(たゆた)う・・・
物がゆれる・心がまよう


DSC_4222


ブログ拝読(*^・ェ・)ノ。
いつもありがとう。

文章を読んでると
なんだか私が聖人君子みたいで
こそばゆいよ。

今年も慰霊式は中止になりましたが
今時のオンラインにより自宅のパソコンで
事故現場の慰霊施設「祈りの杜」の画像を
見ながら9時18分に妻と共に黙祷を捧げました。

(掲載許諾をお願いしました)

もう16年も経過したからね。
通勤電車では最後尾に乗ってるんですが
事故現場を通過する時に車掌さんが
頭を下げて黙礼しています。
最近は女性の車掌さんも増えていますが
女性の車掌さんは必ず黙礼しています。
中年男性の車掌の方が失念していることが
たまにあります。
社員教育の賜物か若い人の方が
きちんとしているように感じられます。

(JR西日本で事故後の入社の社員が56%を
越え… 社員教育への取り組みは今、という
ネット記事を僭越にも送らせて戴きました)

(想い出させてしまい申し訳ないとも思い
…忘れてはならないのだとも思っています)


【暮れの春生くるとすれば朱華(はねず)色】
(『蒼穹』春の部 )


【ゆく春の聖人君子の黙祷】


*********************************


今、高一授業で吉野弘さんの詩
「I  was born」をやっています。

「生まれさせられるんだね」…
という息子のことばと…父親の
初めて語る母親のこと…朗読を
しながら心のふるえがとまらず
… 生徒たちが2005年生まれなの
だという「時の符合」にはっと
したりもします…蜉蝣(かげろう)
は何の比喩・象徴であるのか…
漢字二字で答えなさい…などの
薄っぺらな記号論としての学び
を越えたいと思ったりもします
… 「春」という八木重吉の短詩
も投げ込みます… ストレート⚾️。


【黒い犬縁側に来て春惜しむ】


この短歌もやりたくなりました。


《いちはつの花咲きいでて我目には
        今年ばかりの春行かんとす》👁️
(子規)


命を大切にしたい… あらためて思う
2021年の春が終わろうとしています。


👁️いちはつ・・・
アヤメ科アヤメ属の花…
俳句では仲夏の季語です。






日経新聞朝刊の伊集院静さん「ミチクサ先生」
連載は「吾輩は猫である」誕生直前の佳境に
入っています…この機に香日(こうひ)ゆらさん
『先生と僕』の青春篇・作家編を読み返して
ついでに同文庫の石原千秋さん『漱石入門』
読みさし…を最初から読むことにしました。

石原先生(早大教授)は文庫本裏表紙において
“ 漱石はなぜ、いつ読んでも「新しい」のか ”
…と問い掛けて六つのテーマを設定します…
「次男坊」「長男」「主婦」「自我」そして
「神経衰弱」「セクシュアリティー」です。

おそるべき面白さを持つ“傑作四コマ漫画”の
『先生と僕』と“少し不思議な「漱石入門」”
(あとがき)とを合わせて…「わかる」に挑戦。

漫画には高浜くん(高浜虚子)が漱石の原稿を
得るためには漱石推薦の新人の分も引き受け
ざるを得ないという…そんな経緯も可笑しく
載っています… 数千部しか売れないはずの
「ホトトギス」が漱石の「猫」で八千部も
売れたという…人気作家への歩みの青春篇
をちょうど読み終えて…作家編に入ります。


漱石がいかに亡き親友子規への愛惜の思い
を強く抱いていたのか… それは「わかる」
はずもありませんが…俳句から小説作家へ
の脱皮・飛躍を読み取ることは楽しくて…
まにまにと微笑みながら…漱石は満49歳で
亡くなっています…「ああお前は何のため
に生き長らえているのか」と自問自答です。


【半世紀生きずに描いた猫の春】


IMG_20210425_212556




JR福知山線 脱線事故
2005年4月25日am9:18

駅名としては塚口‐尼崎間で宝塚発
同志社前行き快速電車(7両編成)が
カーブを曲がり切れずに脱線して
線路脇マンションに激突しました。

107名のかたが亡くなり
493名のかたが重軽傷を
(神戸新聞)負った日から
16年です(毎日新聞及び
wikipediaでは562名…)。

事故現場 尼崎市のある兵庫県にも
am0:00緊急事態宣言発出の日です。


今年もNP授業の中でこの事故のことと
事故で重傷を負った学友TTくんのことを
語りたかったのですが生憎(あいにく)の
休日で… 今年も追悼慰霊式は無しの報道
を視聴しています…この日付を忘れない。

当時高知市内のアパートに引っ越した春
昼からの予備校仕事前 ぼんやりとTV画面
を眺めていた「るろうにヒロシン」(自称)
共通の友人から連絡が入り…Tの名前が
出ているからすぐに病院にいってくる…。

…この後の話は何度か当ブログで記した
ことがあります…まったく何も出来ずに
数年後…更に引っ越し先の岡山県倉敷市
児島の海のみえる「児島図書館」で雇用
保険を貰いながら時間給仕事を兼務して
…よく通っていた閲覧室で見つけました。


『あの日を忘れない JR福知山線脱線事故』
事故に遭った方がたやご家族の手記集でした。

その中にTTくんの文章は或る静謐(せいひつ)
の中に収録されていたのです…涙が止まらな
かったのを鮮明に覚えています…今もそうで
すが…この手記には被害者やご家族29名分の
…いいえ亡くなったかたがたやご遺族の思い
の分も加えて…それ以上の普遍的な悲しみや
愛情や鎮魂や感謝という思いの丈があります。


その後又引っ越して大阪の仕事先に赴任して
長いブランクの後に再会して…本をお借りし
コピーも貰って…以後は毎年のようにNPの
授業やHRの教材にして…いつの間にか十年。


TTくんご夫妻は…今朝もきっと慰霊の思いを
式典がないゆえに より強くして迎えています
…そういう人なのです…手記にもありますが
「生かされていることへの感謝」を忘れない
…その気持ちの欠片でも戴いてNPも一日を
過ごしたいと思っています…今年度は色々な
こともあって現時点では語ることが出来ない
でいる…これも緊急事態宣言の余波なのかも
知れないと感じています…心の殺伐とする中
せめて例年通り(!)に発信させて戴きます…。


彼は同窓の文学部で心理学を専攻しています
…その後PTSD(心的外傷後ストレス障害)
という言葉もある意味で一般的になっていて
…お約束の恒例のようなニュースの扱いかた
に…それもこれも抱えて生きる彼の強さに…
教えてもらうことは沢山あるのです…今春も
… 警鐘発令の宛先はわたくし自身なのです。


【列車事故風化させずに暮れの春】
(『蒼穹』春の部)


【いつのまに恒例なんて傲慢を
  わたくしたちはしているのだろう】


【霜やんで緊急事態われにあり】*


*本日25日~29日は七十二候で
「霜止出苗」(しもやんでなえいづ)
…温暖になって霜はなく、苗が青葉
を出す頃(「歳時記カレンダー」)。


発行年月:2007.4
出版社: 神戸新聞総合出版センター
JR福知山線脱線事故 2005年4月25日の記憶 あの日を忘れない


このページのトップヘ