NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2021年07月

標題名画像の「折込ミニチラシ」は…
2020.1現在で司馬遼太郎記念財団作成
「リーフレット」(折り畳み一枚ものは
文春の懐が深いわけではないようで…)。


『最後の将軍』(「あとがき」は1967年
なので1867年の大政奉還から100年後…
文春文庫新装版第1刷は1997年7月10日)
を大河ドラマとは直接関わりなく読んで
います… 渋沢栄一を頻りに読んでいた頃
が懐かしいような…やはり算盤より論語。

同僚日本史教員で司馬遼作品全読破との
超ベテランや兎に角歴史好き精鋭若手と
「青春歴史」を語ってみたくて… やはり
『坂の上の雲』(文春文庫新装版1999年
一巻は第1刷1月10日)合わせて読み始め
… 初読と再読の妙味は気の向くままに。


巨人シバリョーは中国物は
『項羽と劉邦』のみだった
… 昭和の戦争物も愚かさに
腹が立つようで嫌っていた
… 戦国物と幕末物と意外と
忍者物などなどエンタメ的
… という先入観があります
… 『坂の上の雲』の一方の
極である乃木希典について
も漱石のようには評価せず。



あんなこんなこと
ここ数日で楽習と
岳習・額習・愕習
深いです兎に角…。


【司馬遼は晩夏の深い森の奥】



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村上春樹さんが少年時代から立ち寄っていた…
村上家に本を届けていた(店員さん談)本屋さん
「芦屋宝盛館」(阪神芦屋駅 踏み切りの北側)。

久しぶりに行って(必ず春樹本を購入… )一冊の
「初版」文庫本をゲットしました… よく7年間
売れずに この時を待っていてくれましたね 👀
… という感じで栞🔖代わりにレシートを挟み
画像の文庫本月報とも言える折込ミニチラシ…
これが実は付録の果報「お宝もの」なのです。

なかなか探しても手に入りません… そもそも
村上春樹さんの文庫本は例外なく増刷増版を
重ねますから7年前のそれも7月 月報が残って
いるとは僥倖(ぎょうこう)驚愕(少し大袈裟😅)
その頃の夏の香りが残っているような気が…。

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』…
(新潮文庫 平成27年7月1日初刊)は マエストロ
らしくベートーヴェンのピアノ協奏曲第三番
をめぐって… 70頁を越える対談から入ります。

… こうしてPCインターネット音源をあれこれ
サーフィン…これも読書with音楽の醍醐味です。


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第18回ショパン国際ピアノコンクール2021…
先週 予備予選通過(10月 本大会への出場)者が
発表され 151名の参加者の中から… 中国22名、
ポーランド16名、日本14名(免除1名を含む)、
韓国7名、イタリア6名を含む全87名でした。

日本からは、角野隼斗(かてぃん)、反田恭平、
古海行子、(前回ファイナリストの)小林愛実、
牛田智大(2018年浜松国際コンクール第2位で
予備審査免除)、沢田蒼梧さんたちで…まさに
綺羅 星(きら ほし)の如し… ワルシャワの秋の
本大会はワルシャワ・フィルハーモニーにて
2021年10月3日から20日にかけて行われます。

優勝者には金メダル🏅と優勝賞金4万ユーロ💶
(1ユーロは2021年7月31日 時点で約130円💴)
… 「ショパコン」はショパン好きには欠かせ
ない話題で出場資格には年齢制限(16~30歳)
あり… アジアからの応募が大半なのも現実…。

ピアノ協奏曲も課題曲になるのですが上方の
指揮者マエストロ小澤征爾氏と村上春樹さん
の対談に上って… こないんですよねえ…なぜ?

ショパンを聴く際 読み合わせに相応しい本…
本に限らず取り合わせを撰ぶのも面白味です
たとえばDOLCE&GABBANAやドラクロワや…。



【残り香の夏には夏の初版本】

【香水を撰ぶショパコン予備予選】



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(ネタバレには留意しつつ記します…📚️)

冬(12月)にBook3は閉じられましたが
… 4月春の首都高速が入り口で核心的
物語進行部は考えれば考える程7月夏
…明かされてほしい謎少なくとも五つ
…再読部分を含め夏(7月)読了の妙味。


①青豆と天吾のその後
②ふかえりの存在証明
③空気さなぎの意味性
④リトルピープル隠喩
⑤ねじまき鳥との連環


Book4という1月~3月編が有るとすれば
それは「1985」か「1Q85」ではないか
『1Q84』ならば時系列が遡るのでは?


あるいは初期三部作

『風の歌を聴け』(1979年)
『1973年のピンボール』(1982年)
『羊をめぐる冒険』(1985年) 

作品世界の連環が完結したようにみえて
実は
『ダンス・ダンス・ダンス』(1988年)に
鮮やかに明らかに繋がっていたように…


たとえば飛び石三部作

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年)
『ねじまき鳥クロニクル』(1994-1995年)
『1Q84』(2009-2010年) 

作品世界のパラレル(並行)やクオリア(質感)に
敷衍(ふえん)され外延へと今なお拡張を続け…
強(したた)かに

『      ⁉️      』(202?年)

137億光年の宇宙の彼方に再降臨(リボーン)の
時を待っているのかも知れません…  NPも待人。


これだけの大作を立て続けに二作読むと…
「あやしうこそものぐるほしけれ」
(『徒然草』冒頭)
の極みなのです。

「夏は夜 月のころはさらなり 闇もなほ…」
(『枕草子』冒頭)
の小粋もいいね。


だからこそ
それもあって
小品は必要ですよね… 大切に読みたいもの
村上春樹さんは小品や随筆にも逸品多く…。


芥川龍之介 vs 谷崎潤一郎 みたいな
これもパラレルにしてクオリアの…
谷崎潤一郎記念館が呼んでいます。


【夏は夜春樹の宇宙(そら)の拡がって】

【嫌いだった夏芥川の小宇宙】


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JR神戸線の普通停車駅の北側に
ひつじ書房という児童書専門店
があって… 上品なおばあちゃん
ひとりのとても上質な品揃えと
やさしい笑顔の素敵な店でした。

二年前の夏に『ガリヴァ旅行記』
(福音館書店の全一巻)を買って
おばあちゃんともなんのかんの
楽しく話した想い出があります。

閉めたくはなかったようですが
いつの間にか神戸新聞にも閉店
が報じられ新入荷本も途絶えて
… それでも在庫のあるうちはと
NPも よく通いました… 小児を
お持ちの若いママさんが多く…
と言ってもこのご時世で厳しく
完全閉店はその秋だったかと…。

今… かつてひつじ書房のあった
場所には駅前に相応しい飲食店
が入っています…NPはと言えば
入ったことがありません…最後に
買ったのは『背教者ユリアヌス』
(辻邦生: 中公文庫の上下本)かな
… そうです大人の読む(大人にも
読めない)良書が売れ残っていて。


この日の朝… 今夏のNP初物葡萄
(大阪羽曳野産デラウェア) 賞味
しましたが… ふと「一房の葡萄」
という有島武郎の童話(1920年
「赤い鳥」8月号掲載)を想い出
し… 青空文庫で読んでみました。


「罪」って何だろう… 作家には
やはり「人の罪」「大人の罪」
を伝えないではいられない動機
があるのかも…ガリヴァもそう
ユリアヌスも…でも ある少年の
告白した「こどもの罪」とは?
ひょっとしたら大人よりも…。


標題に因んで「ひそか」とは 密か・窃か・私か
と書いて「他人に知られないように行うさま、
こっそり」で… ひそやかには「もの静かなさま」
という意味が更に加わります… 小川洋子さんの
『密やかな結晶』(講談社文庫)は当ブログにも
紹介記事…この絶品は(ユリアヌスもそうですが)
「人間の罪」「前世・来世の罪」を想起させ…。



【夏深く児童書専門店ありし】



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2021年7月24日朝のテレビ・新聞は…
昨夜の東京五輪開会式を盛んに報じて
いますが…今から94年前のS2年の今日
同じ東京の未明に芥川龍之介が35歳で
他界しています… 東京帝国大の先輩で
精神科医でもあった斎藤茂吉の処方の
睡眠薬を過剰摂取したことによります。


丁度2021年ショパコン予備予選が全て
終了した頃なので… ピアノ… 芥川 ふと
想い出して記してみます… 時季 舞台は
異なっていますが当ブログに過去記事
があり… 相応しいピアノ曲を今朝は…。


芥川龍之介の超短編小説に「ピアノ」
という題名の逸品があり1400字程度…
時季舞台は関東大震災翌年の大正13年
秋に歩いている横浜山手通り… 或家の
崩れた跡に蓋をあけたままの弓なりの
ピアノが月の光の下で一音また一音と
打たれる…その真相は?というリアル。


芥川龍之介全集(岩波書店新書版S30年
第九巻「小品」収録で大正14年4月作)
で前後何篇かと合わせて読んでみまし
たが…群を抜く美しい文章と思えます。

ネット記事に芥川「ピアノ」から詩人
ルイ・ベルトランの詩集とモーリス・
ラヴェル作曲の「夜のガスパール」を
紹介する文章があり… なるほどとNPも
「相応しい小品」を探し聴いてみて…
小品集の中の「前奏曲」という1分強の
ピアノ曲に巡り合いました… これだ。🎵


その小品集はこんなラインナップです

[ピアノ小品]
「古風なメヌエット」(1895年)
「亡き王女の為のパヴァーヌ」(1899年)
「水の戯れ」(1901年)
「ソナティネ」(1905年)
「ハイドンの名によるメヌエット」(1909年)
「ボロディン風に」(1913年)
「ショブリエ風に」(1913年)
「前奏曲」(1913年)


この前奏曲の発表された1913年は大正2年で…
それは丁度芥川龍之介が夏目漱石の直系後輩に
あたる東京帝国大学文科大学英文学科へ進学を
(ちなみに当時の同学科は一学年数人のみしか
合格者を出さない難関…Wikiによる)した年です。


さて… ピアノを打鍵した正体は… そんなこと
を想いながら… 同じシーンばかり再放送続く
テレビをやめてPCのピアノ音に耳を傾け…。🎹


芥川は短篇小説や小品が多く… 前奏曲もいい
のですが… 交響曲も読んでみたかったなあ…。


【河童忌にプレリュードばかりを聴いて】


《対の追句》
【夏の五輪同じシーンばかりを視て】


(文豪付箋は芥川の最後の一枚)
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