NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

2023年01月

紫式部は23歳の時に 越前の国守を任ぜられた
父藤原為時に随伴して約一年 越前の国府滞在
… 日野山(標題の越前富士)の歌を残しました。


《 ここにかく日野の杉むら埋む雪
  小塩(をしほ)の松に今日やまがへる 》

(この地でこのように日野山の杉木立を埋める雪を見て
  都の小塩山の松にも今日帰る山に雪が降るようで…)


紫式部は越前下向以前からプレイオヤジの
藤原宣孝に言い寄られていて早く都に帰り
たいと思っていたらしく父に先立ち帰京…
そんなドラマも来年のNHK大河が楽しみで
そう言われればこの一首も日野山は脇役…
口語訳をしにくい下の句だと思いますねえ。


幼い時からこの日野山の麓に育ちました…
中学時代には日野山登山の学校行事があり
天候がよくないと怖ろしかった記憶もあり
亡き父が市内の住宅地に家を建てた際には
日野山を借景に造園の妙を凝らしたもの…。


残された母が庭の世話や雪除けに大変苦労
また兄弟妹も腐心はすれども遠隔地住まい
… 今回故あって揃いまた今後のことも話し
合い一旦離郷する者さらに居残る者と分担
… 子孫達の仲のよいのが母の自慢なのです。


《 ふるさとの山に向かひて言うことなし
  ふるさとの山はありがたきかな 》
  (石川啄木)


【ふるさとの冬を見送る如き山】


今日1月22日は旧暦で元日… 所謂新春ですが
大寒の候で全国的に極寒が続きます…冬土用
わずかずつでも春に近付いてゆきますように。


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なんどここに来たのかわからないくらい
… いわさきちひろは1918年12月15日に
北陸 武生(現在の越前市)で生まれました
…大正7年のその日は測候所記録で雪です。

今朝も少しだけ雪のちらつく古い町並に
「ちひろの生まれた家」を訪ねました…
年間パスポートを800円でつくりました 
…入館料は300円で一年間に4回の企画展。

連泊の駅前ホテルで「ちひろの歳時記」
フライヤーを見て…ついでのミニカップ
麺はご当地スヌーピーと恐竜コラボ珍…
SNS投稿用の撮影コーナーもひとりきり。


【やさしさは強さ ちひろの冬帽子】


『ちひろの昭和』という一冊を今回発見
… 許可を得て大正時代からの卓上で撮影
「安曇野ちひろ美術館」刊 書店で後日…。


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読みました、読んでいます、読みます。

知念実希人さんの『ひとつむぎの手』と
『崩れる脳を抱きしめて』『ムゲンの i 』 
(いずれも本屋大賞ノミネート作品の三作
で「ムゲン〜上下」は学校図書室の貸出)

「ビッグ・イシュー2023.1.15号」『大鏡』
(前者表紙は俳優コリン・ファレルで映画
『イニシェリン島の精霊』インタビュー記
後者は上記貸出で小学館日本古典文学全集)

越前市に急遽帰省することになり… この中
から『崩れる〜』と「ビッグ〜」を携行…
撰んだ本は当たりが多いです…「本当」に。

当たりと言えば…『大鏡』は道長と伊周の
競射の場面を 前後の大きな流れから読み
直していますが… 今の国語教育指導に足り
ないものがあるとすれば… それは時代背景
や歴史認識の深きところへのアプローチ・
考察すなわち探究のこころかと思います…
「探究」をキーワードに生徒指導している
教員自らの探究心が欠けているような気が。

余計なことを申しました… チネンミキト氏
を「あ〜ラノベ作家の医者」と勘違いして
いるかたがいるようで悔しいのと同根です
… 同年代(44歳)の医師の教え子と先日会食
(整形外科医と麻酔科医)しましたが… 二人
はとても虚心に医師作家を捉えているので
すこし安堵しました… ビッグイシューには
SNSフォロワーの圧倒的な数字に負けずに
多くの読者に読んでもらえる本を書くこと
が大事… という作家平野啓一郎氏の提言も。

一日が長い長い… 近場での覚悟待機が続き
明日は「ちひろの生まれた家」に行きます
北陸は雨雪雨で寒く寒くなっていますが…
本や文学のことでこころを深く深くして…。

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阪神淡路大震災から28年の今朝…
5時46分にはサンテレビの生中継
画面に正座して黙祷をしました…
被災者代表のおことばも同様に。

その後 追悼の集いの終日行われる
神戸三宮 東遊園地に参りました…
ちょうど三時間遅れの頃でしたが
人影はゆるやかに途絶えずありて。


【なかなかに命綾なす時空遥か
   生きてこそあれ慰霊碑の前】


諸事情の相重なりて標題のように
第21回ネット句会は次の「春土用」
まで延期させていただきたく思い
本日冬土用入りにあたりご報告を。


また実はたいへん滞っております
第19回の表彰発送と第20回記念の
句会表彰発表とを… これも大きく
日延べさせて戴き 合わせて後日に
と考えております お待ちください。


主宰自身の体調は快癒しましたが
諸事情という言訳でご容赦の程を
… けっして昨今の値上げラッシュ
の所為や新新型ウィルスへの萎縮
ではありません(^^;)ので ご休心を。


【117いのちはいのり生きてこそ】


「生きてこそ」は本日のご遺族を
代表してのご挨拶のなかで最も心
打たれたおことばでした… 只感謝。


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心臓外科医の話ですが
「機械仕掛けの〜」が
単なるコロナレポート
ではないのと同様です
具体を越えて響きます。

『ひとつむぎの手』は
ミステリーではなくて
ドキュメントでもルポ
でもありません… ただ
普遍を捜して読みます。


【震災の日の前夜よむ唯一冊】


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