国語の第一問は、「二元論」でした。「近代」「自然科学」「生物」、今年のセンター試験評論とも相通ずるところのある、お約束のような、シンプルな出題。
「簡単なことを難しく言っている」「易化継続中」のサンプル(具体例)が、そこにはあります。

「もう近代ではないでしょう、いい加減に・・・」と思いながら、「まだ近代の清算は終わっていないのだ」と考えます。「易化」は「問題文の質量」であり、「採点基準は却(かえ)って難化」と言わざるを得ません。

2009年出題の馬場あき子さん(歌人で文芸評論家。問題文の「山羊小母・めんこばんばたちの時間」では、いなかと都会の「時間」を対比的に重複して設問化。)の随想文がそうでした。とても分かりやすい、これ以上どのように「換言」「深化」説明できるのか、当然これ以上「分かりやすく(平易に)説明できない」自己矛盾を感じてしまうような問いが並んでいました。

第二問の古文も第三問の漢文も、「シンプルサンプル」、第四問が「トレンディ(時代風潮的)」な印象です。雑ですが、これ以上論ずる気が起こりません。京大は後日詳述(しょうじゅつ)したいと、今は思っています。

このようにしか問えない、このように問うことで見えてくる「受験生たちの特質と大学側の思惑(おもわく)」があるのでしょうね、きっと。