グリム童話の初版を素材にした裏・解釈本を読んでいます。

・・・白雪姫を殺そうとする后は実母ですが、第二版以降では継母となりました。
実母が自分の子どもを殺すのは残酷すぎるという批判を受け、また「虐待(いじめ)」の悪役に、よりふさわしいとグリム兄弟が考慮したのでしょう・・・と著者の由良弥生さんは記しています。 

「白雪姫」は、それ以外の表現もかなりリアルで生々しいものです。

由良さんによると、「実子殺し」や「虐待」 以外にも・・・、
高慢・嫉妬・憎悪・人肉嗜食(ししょく:カニバリズム)・復讐などが描かれ、
ほかのグリム童話とは、ひと味もふた味も違います・・・とのこと。 

では、NP的暗喩考察です。
前述(白雪姫を室内に発見する時)の「七人の小人」のセリフを、
「七つの大罪」順に符合させてみます。

①イスに座る⇒傲慢・・・これは後のベッド同様「人の場を奪う」ことで合致します。
②皿から取る⇒物欲・・・これも食べる前に「人の物を奪う」ことで合致します。
③パンをちぎる⇒嫉妬・・・「ちぎったパン」は「死の神への供物」(イメージ・シンボル事典)で妬ましい感情は微妙です。
④野菜を取る⇒憤怒・・・「野菜のように茂る愛」から「人の愛を奪うこと」で意味は真逆となり合致します。  
⑤フォークを使う⇒貪食・・・「憎悪に満ちた」「形状」から「分裂や増殖」(同上)でやや曖昧です。
⑥ナイフで切る⇒色欲・・・これはきわめて暗示的でこの生臭さこそが性的イメージに合致します。
⑦グラスを飲む⇒怠惰・・・これも「純粋性・処女性の喪失」(同上)と「放縦・放恣」*のイメージで合致します。


(さらに続きます。)


さて、強烈な寒波到来です。

具沢山の「粕汁&御飯」で温まります。
放縦・放恣の食材化ですね・・・、ごちゃまぜ。
DCIM0069














*放縦(ほうじゅう)・放恣(ほうし)・・・
勝手気ままで、だらしがない様子だ。
[ともに新明解国語辞典]