DSC_76724月26日神戸新聞の第一面見出し語。

JR福知山線列車事故から14年経ち
一般紙では取扱い小さくなりゆく中
慰霊式に臨んだTTくんは NPの大学
入学以来の学友親友です。

乗客106名と運転士1名が亡くなり
562名が負傷した大惨事に於いて
重傷を負った一人の「被害者」の
かたで毎年慰霊式に出席します。

例年この日付に拘り 授業でこの
事故のことやTTくんから聞いた
その後のエピソード等について
NPは生徒たちに語りかけます…。


今年は被害者有志のかたの手記(当ブログ既出)
『JR福知山線脱線事故: 2005年4月25日の記憶:
あの日を忘れない』(神戸新聞総合出版)から
TTくんの文章内容について「時場人物事情」の
順に事故そのものとTTくんの回復迄の「気持ち」
を淡々と伝えました…「情」の行き着くところ
として家族やお世話になった方がたや同僚知人
への彼の「感謝」を「主題」に据えました…。

かなり「国語教材」としての要素が色濃いもの。

自画自賛ではなくていろんな切り口での説明が
出来るようになっている自分への途惑いあり…。

それでも生徒たちは短時間に集中して聴いて
くれたように感じています…本当はTTくんの
手記全文を朗読したかったのですが…ついに
生徒たちが…事故の時に生まれていなかった
世代として入学している中一クラス3つで…
生々しい事故の悲惨を読み聞かせるには躊躇。


TTくんとの当日夜のメッセージやり取りです。


(NP)
今日は授業のあった4クラス共に2005年4月25日のTTくん
のお話をしました。平成最後の慰霊式はいかがでしたか?

(TTくん)
今年も妻と一緒に参列して自分の新しい一年を迎えました。
今回からJRが事故現場を整備した「祈りの杜」での慰霊式
になりました。
あまりにも事故現場が美化されてしまって事故の印象が薄れ
ていくような気がします。原爆ドームのような残し方もあっ
たのではないかなあと感じます。これは人それぞれ感じ方が
違い、遺族の方の気持ちを優先しないとならないと思います。
ただ、特設された慰霊式会場の正面が線路の方を向いている
ので、式中も電車が通り過ぎていく光景を目にすると心拍の
増加を感じてしまいました。
慰霊式を終えて尼崎駅に戻ると神戸新聞の記者からインタビ
ューされたので避けようと思ったのですが、やはり少しでも
事故を風化させたくないと思い匿名を条件に答えました。


(NP)
ありがとうございます。
許されるであろう範囲でブログに援用させていただきます。
不都合があれば削除します。
美しい文章です、全文は困りますか?

(TTくん)
・・・お任せします。



「少しでも事故を風化させたくない」

このTTくんの思いはきっと犠牲者達の
尊い命と引き換えに自分が生かされる
ことへの感謝の思いと使命感のような
強い感情だとNPには思えてなりません。


…とすればそれを毎年のように記している
NP自身の中にもきっと同様の感情があり
「少しでも彼の思いを風化させたくない」
…ということだろうと独り言ちています。

こうして考える時間を貰っていることで
TTくんにNPは心から感謝をしています。


風化させたくはない事故暮春かな
事故を語る曇天四月二十五日
(宏)