IMG_20191025_232004知ら季語⑬にあたるのですが
… 次回に跨がり若干のクイズ
… この形式は今回から止めて
何気なく季語含みエッセイ風
に改変して他記事も交えます。
(画像は徒歩通勤路の金木犀)


「木犀」は晩秋の(親)季語です。

子季語に、
木犀の花/金木犀/銀木犀/薄黄木犀/桂の花 等。

金木犀は橙黄色の花
銀木犀は白色の花 …
九月~中秋のころに小花を沢山つけ
香りは高く庭木に広く用いられます。
芳香は金木犀の方が強く
爽やかな風に漂う香りは
秋の深まりを知らせます。
(Wiki等 編集)


野呂邦暢☆の短編「白桃」を想い出します。

標題のセンター試験で何度も読みました
「国語Ⅰ 国語Ⅱ」時代の第二問・小説問題。
その頃は予備校教員をしていましたから
繰り返し解説をした記憶のある「良問」。


戦後の貧しい時代に
二人の子ども兄弟が
父親の使いで安酒場
に借銭に来て親父に
父親を扱き下ろされ
出された「白桃」を
食べずに店を出た後
「木犀」香る夜闇に
迷い込んでしまう話。
IMG_20191027_042633担当者の不明を今なら恥じます
白桃も木犀も季語だなんて👀…
意識の欠片も無い「殺伐」時代。

「白桃」の親季語は「桃」で初秋 …
初秋から晩秋に移ろいゆく短い物語。


☆・・・
野呂邦暢[のろ くにのぶ、1937年(昭和12年)9月20日 - 1980年(昭和55年)5月7日]は、日本の小説家。長崎県長崎市出身。本名は納所邦暢(のうしょ くにのぶ)。自らの自衛隊体験や、戦後住んだ諫早市を舞台にした小説・随筆を数多く残した。[Wikiより]

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【前回「紅葉忌」「白秋忌」】
尾崎紅葉の
紅葉忌は10月30日(明治36年没 35歳)。

北原白秋の
白秋忌は11月2日(昭和17年没 57歳 )。

「紅白」の「忌語」
どちらも晩秋の季語。

ついでに・・・
康成忌:4月16日(川端康成 昭和47年没 72歳)
桜桃忌:6月19日(太宰治 昭和23年没 39歳)
河童忌:7月24日(芥川龍之介 昭和2年没 35歳)
憂国忌:11月25日(三島由紀夫 昭和45年没 45歳)

扱いにくい季語のように思われます…
日本近代文学史に残る自死系譜の忌語
ガス自殺・心中水死・睡眠薬死・割腹。


それにしても
紅葉と白秋は
図ったような…。🍁🏳️ 


木犀の闇に言葉と文学と
(宏)