Eテレ「NHK俳句」
三月第一日曜日6時35分~7時
うだきよこ先生今年度最終回
「始末」という言葉を新たに
教えてくださいました…敬意

「使い捨て」の対語であり
使えるものは最後まで使い
食べられるものは最後まで
食べる…つつましく生きる。


そうか!!
俳句はもしかすると…
つつましく生きること
つつましく詠う(謳う)
という本質的で根源的
な「始末」という要素
をもっているのかも…感謝

世界最短の韻文詩!!
省略の文学というよりも
つつましい始末の文学…。

そしてそして…
「角川俳句」2020年2月号に
宇多喜代子先生と馬場あきこ
さん(歌人)の特別対談記事が
あり…聞き手の永田和宏さん
(歌人)との鼎談(ていだん)に
なっていました…本音トーク。


その中で…
御三人が昭和の「大小説家」
中上健次(俳人の茨木和生
先生の親友であったと仄聞
そくぶん)にふれ宇多先生曰く…

ところが、あの大小説家がね、私の句を黙って見てから
「俳句はすごいなあ」って俳句を褒めたの。私じゃなく、
俳句を褒めたの。 「これを小説で書くと百枚になるか
なあ、三百枚かなあ。それを俳句は一行で書く」   って
言うから嬉しくて。それから私はどこへ行っても、俳句
をやってますって大きな声で言うの。でもほとんど文学
の話をしたことがない(笑)。



言論封殺されてた戦時中から解放されてきたのが
金子(兜太)さんたちの世代なんだけども、みんな
当時は本当に金なしですよ。食べるものもなかっ
た。今は食べるものはなんでもあるけど、なんだ
か貧しい。

この後
馬場あき子さんが…
「その貧しさが問題ですよね。
心が貧しくならないためには。」
と続けていらっしゃいます。


NP結論…自信

つつましい ≠ 貧しい


さて
宇多喜代子先生は二年間のEテレ俳句
講師おつかれさまでした…一か月四週
でいちばん楽しみで面白く学びも多く
…有り難うございました…神奈川大学
での「高校生俳句大賞授賞式」(中止)
でご拝謁叶わないのは痛恨です無念…。


《これしきの春を生きるにこの力》
(宇多喜代子『円心』)


最終回(春眠) 第一席に撰ばれた句は…

春眠や夢に皆居て皆生きて

宇多先生の「つつましさ」が
表れた句のように思われます。


【春眠の内にも外にもつつましく】*


*つつましい(形容詞)・・・
何事につけても謙虚に振る舞う様子だ。
〔誤って「つましい」と同義に用いる向きもある〕
礼儀正しく、控え目な様子だ。
(新明解国語辞典:第七版)