【蟄虫の戸を坏す此の空の色】

「蟄虫坏戸」
ちっちゅうこをはいす…と読んで
七十二候では秋分(二十四節気)の
次候にあたり…今年は9月27日(日)
からの五日間…有名な啓蟄(三月)
の真逆の状況と言えます…虫たち
が寒さで地中に身を隠す頃です。

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しかしベランダから覗いた東南
の空には見たくて仕方なかった
「此の空色」が見られたのです
まるで暦に逆らうような日和で。

(でも鮮やかで蒼穹色に近いかも)



【白雲に空色の空秋日和】


(そこであらためて空色を探して)
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神戸メリケンパークオリエンタルホテル
の絵葉書に空色を見つけました… 海は青。


言葉の持つ印象とは違う実感。


小川洋子さんの講談社文庫本
『密やかな結晶』確かに読了。

予想したエンディングに非ず
解説も同様で不可解な動揺が。



この単行本を上梓(1994年)後
アウシュヴィッツ訪独と聞き
では佳作「バックストローク」
は更にその後… 作家の世界観
は人生の時系列に逆らうもの。
(「バック~」は2001年作で
新潮文庫『めまい』に収録。)


それがまた小説と人生の醍醐味です。

空の色…それを空色と思い込んでいた
… そんなこんな想いを廻らせるのも秋。

(しかし26年間読まずにいて…今年度の
ブッカー賞を逸したことで増刷版入手?
ジョージ・オーウェル作『1984』との
内容的関連も感じさせ…近未来型逸品。)


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