第十五句集名「めぐ」

茨木先生の初お孫さんの名前で
今高校三年生… あとに三人控え
第十八句集で山口誓子の十七を
越えたいと帯・あとがきに仰る。

長い長いご無沙汰をお詫びして
唐突に『蒼穹』を送らせて戴き
すぐのお返事と賜り物「一本」
… 一冊の本をそう表現されます。

本にはサインと一句…和紙に筆
書きと朱印… こんな果報ありて
恐縮の極みですが当シリーズの
恒例で十句… 注目モティーフ型。

角川俳句で蝮蝮蝮🐍🐍🐍の連句
があり衝撃的だったものですが…
この『恵』で「山桜三十五連句」
があります… それはもう壮観で。

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花(植物)素材に特長と惹かれるもの
を僭越ながら感じましたので以下…。


新横浜駅の近くの花菜畑
土佐なればこそ大ぶりの蝮草
山中の家の大きな百日紅
すつと伸び立ちて山百合崩れゐず
老いしとは思はず花野歩きゐて
波高き湖が見え山桜
雲崩れ過ぎし青空山桜
青空は揺れず動かず山桜
遊びゐる子の声高し曼珠沙華
秋晴れやメタセコイヤは素直な樹

(茨木和生 平成三十年~三十一年)


これらの句に描写された花(植物)は…
言うまでもなく作者御自身か 或いは
裏帯に記された「なお立ちかえる
亡き妻への思い」を暗喩しているの
ではないかと思われるのですが…如何?
「産土(うぶすな)の地・大和の山川草木、
光と風、生きものたち」の後に続けて
その辞(ことば)が刻まれています…次
からは恵さんや更に三人のお孫さんの
モティーフも増え一層若返られるので
はないかと…御歳八十 「運河」主宰者。

あの頃も今も
心より感謝と
敬意を覚えて
にも拘わらず
不確か怪しい
自分口惜し…。


【胡乱にも臥待月を待てず寝ぬ】

(うろん・ふしまちづき・いぬ… 今宵は更待月)

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