東山紘久ひろひささん(10日前ご逝去の臨床心理学者)
『プロカウンセラーの夢分析』(創元社2002年第1版)

小此木圭吾おこのぎけいごさん(2003年没の精神医学者)
『精神分析のおはなし』(創元こころ文庫2016年刊)

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この二冊にテクストを変え
「夢をみた」シリーズ継続
…前者は
「夢分析の基礎」
「夢分析の実際」
の二部に分かれ…
「~実際」が
「A誰でも見る夢」
「B人生節目の夢」
「Cピンチとチャンスの夢」に
分かれ…
Cの一つに
“戦いの夢”という章があります。



前記事の「空爆にゆく」を「戦いにゆく」夢と捉え
「夢見者」の「戦いの夢の実際」にシンクロさせて
ゆくと…次のように読み換えることが出来そうです。


夢見者は、パイロット(戦闘飛行士)のように、現実
の敵国(組織)相手に戦っているのではありません。
…だからこの戦いは、夢見者の心の中の戦いです。
敵国とは…「夢では自分の人格の影の部分のこと」
…影とは自分が受け入れられない自分の性格です。


その場に味方の上司も敵もいるというのは、影の
性格と日向の性格それぞれが人格の半々を占めて
いるからです。そのうえ、その場で半分いる敵と
戦っていることを知っている人(意識)は、夢見者
を攻撃してくるのです・・・(中略)・・・意識は
影の証拠を隠したがります。夢見者は慎重にこと
を運ぼうとしています…これが「獅子身中の虫」
である影との戦い方なのです。



「影」は河合隼雄さんも『影の現象学』で詳細に
論じていますから…こちらも本棚ラックから引っ
張り出してきて…ついでにフロイトの『夢判断』
文庫版…おまけに偶々横に並んでいた宮本輝さん
『春の夢』…全部読みたくなってしまいました。

(もうそろそろ「読める期」が終焉近いのですが
「獅子身中の虫」が最後の悪足搔わるあがきです…。)


【麗うららかに自分の影と影踏みを】