『若い読者のための短編小説案内』(1997年)
で村上春樹さんが若い人達に推していた中の
一篇 安岡章太郎「ガラスの靴」…これは凄い。

発表されたS26年(1951年)から70年を経て
古臭い感じが全くしないこともそうですが
… 村上春樹さんの作品だよと言われても…
あ~そうだよね~そんな感じがするよね~
と言ってしまいそうな…まさに「感じ」。

「感じ」の英語訳は
feel(feeling)
impression
sense(sensing)
perception
effect
imaging
touch
などが挙げられますが
「心」の
mind/heart/spirit/soul/feeling
同様に使い分けが難しそうです。

おや…共通しているのが feeling ですね。

何はともあれ
「熊」の話から入るのは
川上弘美さんの『神様』もそうだし
ああ、川上さんの感じも春樹さんと似ている
ところがありますよね、心の赴くま まの部分。🐻


村上春樹さんの熊と言えば何と言ってもあの
『ノルウェイの森』(下)に出てくる「春の熊」
の話… 緑に僕は「春の熊くらい好きだよ」と
言いますよね…まったく意味ワカランジェロ。

フィーリングとしか言いようがありませんね。

安岡章太郎さんは70年前のまだ太平洋戦争の
影が作品内にもある一方で…「熊に会いたい」
という悦子と僕の電話での対話から入ります。

うわあ、ぶっ飛びますね…「第三の新人」は
遠藤周作・吉行淳之介はよく聞きよく読んだ
記憶がありますが 安岡章太郎…村上春樹さん。

きっと「鏡」のように思えたのではないかな
… 自分の姿を写しながら自分では無い別もの
を見せられてしまう「怖い話」…そうです…
『カンガルー日和』の中の一話…当ブログの
本日のオチは文庫本の二十数ページの標題
の「ガラスの靴」を脱ぎ落として行ったこと
が…「鏡なら、あすこに大きいのがあるぜ。」
というエンディングに繋がっていく奇遇の話。

だから…一寸怖かったのです…その件(くだり)。

「悪い仲間」は全くハルキ的ではないようで
この二作を併題にした講談社文芸文庫も凄い。


オリックス・バファローズ パ・リーグ優勝の
10月27日は「文字・活字文化の日」なので…
10月27日〜11月9日の二週間は「読書週間」
…素敵な一本と邂逅(かいこう-巡り逢い)を…。


【脱ぎ捨てたガラスの靴に柳散る】


柳が散り始めると秋も終わりますが
読書の秋は初冬へとまだまだ続いて
心に柳葉は散り積もってゆきます…
本当は若い時に読みたかった本との
逢瀬はあたかも「巡礼」を想わせて
…ガラスの靴を拾いたくなりました。


[追記]
三毛猫のフェルト栞は三宮Opa2ジュンク堂書店…
文庫本の紙カバーは阪神芦屋宝盛館で…こちらは
春樹少年の村上家御用達(ごようたし)だった本屋。


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