第十五回句会・暮れ&新年の部
公開選句会への投稿(選句選評)を
一挙に公開します…作者を明らか
にして「ひらく」といいます。

◎は特選
○は並選
△は選評のみ
選評は全文そのままで
選句のみの場合もあり
「ひらいていない」番号は選句無しです。
(番号は投句順ではありません、あしからず)

以下を踏まえて1月16日(小正月明日の休日)中に
入賞入選句を発表します… お楽しみにご鑑賞を。


かがみもち倒し微笑む赤ん坊(AKI)
*公開選句会へのアップで抜けており大変失礼いたしました。最も早いご投稿投句ゆえに主宰NP嬉し紛れの不始末です。御寛恕のほど、本年も懲りずに宜しくお願いいたします。

1 新手帳開きて聞きし除夜の鐘(俳人28号)
◎除夜の鐘を聞きながら新しい年の予定を思う、明るい句だと思いました。

○大晦日という節目になる日に真っ白な手帳を開き、新たな気持ちでその手帳が文字で埋まる事を楽しみにしている様子が浮かぶ良い句だと感じました。
○新年の始まりとともにまっさらな手帳に一年の抱負を書き記すのでしょうか。

2 箱根路にたすきをつなぐ師弟愛(俳人28号)


4 紅白はなべて桃色画面かな(音川)


5 初詣消毒液の手水かな(ひつじ子)
◎コロナ禍の今だからこその句だなと思いました。手水が復活する日が早く来るといいです。
◎諧謔と哀愁を感じます。俳句と川柳の垣根を越える秀逸な一句です。
○笑えます。漫才ネタになりそう。
○巧い。清めという言葉はかくも意味深。
○コロナ禍独特の情景を見事に切り取った句であり、消毒液を手水に見立てた発想がとても良いと感じました。


6 クリスマスイブに不要の休みとり(芦獏)

12 年の暮火照りを隠す白い息(北斗七星)
◎「誰が?」、「どこで?」、「何の火照りを?」、「なぜ?」といろんな「?」を誘う秀句です!


△「年の暮」と「白い息」は季重なりだから、川柳なんでしょうか。なぜか気になる句。


13 除夜の鐘目覚まし時計に代用す(北斗七星)
○心に染み入る句です。

14 初夢は初夢見ない夢だった(明日葉)
○吉兆は最早強迫観念。実に現代的。


15 歳晩の雑踏に消ゆ亡父の影(ひつじ子)


△謎が多いです。

16 数え日の今日すべきことできること(ひつじ子)
○すべきこととできること、年の暮れのあわただしさが伝わります。

17 大晦日響く歌声世代越す(北斗七星)
○第九ですね。コロナ対策のためリモートで各地を繋ぎ空間も越えた試みもあったようです。
○今回最も味わい深いのではないでしょうか。年の瀬に皆で歌うのは万国共通。新たな自分に生まれ変わりたい、それでも自分でいたい。そんな願いを乗せて、歌も歌い手も世代と年を越えていく。『ダウントン・アビー シーズン6』のラストや黒澤明の『醜聞(スキャンダル)』を思い出しました。

19 除夜の鐘煩悩消さず酔いを消す(北斗七星)
◎人とは悲しき生き物……。皮肉が効いています。酔いという煩悩を消したのか、はたまた酔いが覚めてまた酒を注ぐ煩悩スパイラルに入ったのか……想像すると思わずニヤリ。

20 元旦にここで一句のハラスメント(数指揮)
○摩訶不思議さに一票。
○今年この句と同じものを受け、詠んだ時にくすっとさせられました。〜


22 リモートの忘年会で見栄を張り(芦獏)
○どんな見栄だったのでしょう?ありそうな光景で、共感しました。


23 年の瀬に時間がこぼれ落ちるよう(金木犀)
◎毎年実感するも、よく年の暮には忘れてしまう年末独特の感覚にとても共感し、今年も年の瀬が来たことを知らせてくれる様子を切り取った素晴らしい句だと思いました。


24 失ったものは多くて年のくれ(金木犀)
○この頃、得たものより失ったものが多い気がするのは何故かなぁ。

26 初めての雑煮は親と同じ味噌(市森)
○情景が目に浮かびます。

27「おばあちゃん!」雑煮求めて孫が来た(市森)
○お正月、おばあちゃんの家に孫たちがやってきて一家団欒の時を過ごしている様子が伝わります。

28 今年から渡す身分のお年玉(市森)
○これも皮肉で素晴らしい。年を越えるとはめでたく儚いものです……。
○私ももうすぐお年玉もらう側卒業かな…グサッと来ました笑。
○「身分」と言ったところにちょっと誇らしさも感じます。