NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

カテゴリ: 夏目漱石

かんどく(完全に敢然と読み了える: 掛詞)
第1部~第3部
このうち第1部は1994年4月初刊の年度に
読んだ記憶があり第2部は同日刊行なので
読んだはずでも記憶が薄れていて第3部は
1995年8月初刊の年度に購入し未読と判明。

れいどく(一旦離れてから戻って読む:造語)
Book2第17章
季節同時並行で再読を試みて物語の舞台が
1984年の8月辺りで読み止(さ)しになった
Book2(7月-9月)の後半に戻り Book1と同日
発売の2009年5月初版こちらも未読と判明。


どちらも季節を越えたもの
(第一義的な時系列は同じ1984年4月~夏)
正確には時空を超越した虚構
(長編小説というよりもまさにモノガタリ)


『1Q84』が当然の如くに
『ねじまき鳥クロニクル』を踏まえたもの
というよりも同一モティーフを孕んでいる
ということがとてもよくわかります驚異的。

ネタバレなしにしたいのですが
今「青豆」の章のひとつに戻り
ああマダムはクロニクルの婦人
… 水素材や暴力殺人性も類似的。


漱石の
『彼岸過迄』(1912年1月~4月朝日連載)
『行人』(1912年12月~13年11月 同上)が
ともに或る意味で確実に推理・探偵小説
であったことを想起します… 『門』丁度
今日有名な「冬来たりなば春遠からじ」
を踏まえた「然し又ぢき冬になるよ」の
エンディングに向かいます… 完読の予定。

後期三部作とされる
『彼岸過迄』『行人』『こころ』戻読へ
読み止しているのではないのですが…
完読して読んだつもりになっている…
だけかも知れませんからね確かなこと。


【漱石と春樹は夏の推理物】


何度も読みたくなる推理物はホンモノ…。


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日経朝刊伊集院静さん
ミチクサ先生 (400) は
夏目漱石逝去から半年
6月は薫風の駿河台で…
先生然シルクハットの
寺田寅彦と和服外出着
の芥川龍之介の会話…
挿画が活きていますね。


日曜日なのでコンビニで買い込んで(180円)
のんびりできる蕎麦屋であれこれ読みます
…「ミチクサ先生」以外にも 歌人で科学者
坂井修一氏の「うたごころは科学する」は
楽しみです… 本日は悲劇『アガメムノン』
コロナ禍に関連させての締め括りが巧み…
The STYLE / Culture の文化時評は向田邦子
同じく / Interview のMy Storyは石黒浩さん
(阪大栄誉教授のロボット学者… 漱石などの
アンドロイドを開発 2025年大阪万博のTP
:テーマ事業プロデューサー「人間はいずれ
機械になる」という大見出しはごもっとも)
… 作家角田光代さんのバリ島のエッセイも。


スポーツ欄や競馬記事の充実もビジネス系
なのでしょう… 日曜版は株式証券欄がなく
文化面も全面広告面も多いように思えます
ただSDGs関連の記事はこの日皆無で心配
… 無論取って替わるは五輪関係のリアル…。


雷鳴が遠くから響き今にも俄雨になりそう…
気にせずに「天ざる」(950円)… 甲南蕎麦と
いう花あり音楽ありオブジェ 画ありの名店
… 少し時間を外していけば「ほんとう」に
ゆっくりさせてくれます「まこと」に感謝。


【遠雷の蕎麦屋にとどくごゆるりと】⚡


⚡・・・
遠雷(えんらい)は三夏(夏じゅう)の季語
『蜜蜂と遠雷』(恩田陸)で蜜蜂は三春の
季語なので不思議な取り合わせの隠喩。


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昨日研修日で読めなかった分の
日経新聞朝刊を職場で探したの
ですが… 見つけることが叶わず
「漱石臨終」の場面を読み逃す
あるいは福山小夜さんの挿画を
見逃すことになりました… 二重
の意味でとても悔しくて無念…。


つい先日まで明治天皇崩御から
乃木希典将軍殉死へと急展して
余りにもはやい「こころ」完結
に「道草」を挟み「明暗」未完
一気にミチクサ先生夏目漱石は
逝ってしまいました… 多分昨日
「もう泣いてもいいんだよ」と
いう家族への訣別のことばが…。


398回目の今日は星の見えない
夜空の下で最も愛された弟子の
寺田寅彦と最も遅れて加わって
才を褒められた若き芥川龍之介
の二人が先生のことを語ります。

標題は記者たちのことばの月並
に対する… やるせない思いです。


伊集院静さんの体調も気がかり
… どうしてこんなに急ぐのかと
… くも膜下出血で約9か月休載
… 連載再開の昨11月から8か月
… 再び苦行になってはいまいか
… どうか当初予定を恙無く全う
されますように祈っております。


折しも NP併読は『門』の終盤に入り
『漱石激読』がいかに凄まじい解釈
なのかを痛感して「門に入る」こと
の意味などを村上春樹さんの隠喩的
長編『ねじまき鳥クロニクル第2部』
の「井戸に入る」にこじつけて堪能
…1984年七月~十月という時系列を
終えて第3部に入ってゆきます…時空
は漱石死後わずか70年ほどの隔たり
… そのことにあらためて驚嘆します。


気が早いかもしれませんが
単行本刊行を鶴首して待ち
こんなにも毎朝楽しませて
くれた連載を辿りたいです
… あと少し連載は続きます。




共通項を十点
挙げてみます。


蒙古(モンゴル)
東京の一軒家
夫婦の問題点
親戚との疎外
遺産相続不審
見えない脅威
主人公遊民性
戦争と新時代
罪悪感と救い
刊行時の年齢


いやあ~
併読って
実に誠に
愉しくて
興味深い
ですねえ。

牽強付会(こじつけ)では済ませられない
…何か途轍もなく深い怖い「心の闇」を
此処其処(ここそこ)に見つけてしまい…
村上春樹さんが漱石を読むことは出来て
夏目漱石が春樹さんを読めない残念至極
…「村上春樹は夏目漱石の再来」という
『ノルウェイの森』ブレーク時に於ける
週刊文春の大トピックスを想い出します。


漱石が亡くなって(1916年)
30年後には太平洋戦争開戦
35年後には村上春樹さんが
生まれて(1949年)いる軌跡
… 時の流れの速さと残酷さ
風の流れの不気味と不思議。


【遡流するモンゴルからの青嵐】🍃


📚️参考文献・・・
『漱石激読』(石原千秋/小森陽一)
『新歳時記』(高濱虚子)

🍃青嵐・・・
初夏に吹くやや強い南風… と思ってい
ましたが虚子は「夏、緑の森や草原を
吹きわたる嵐である」と記しています
… 「三夏」(夏じゅう)の季語で「夏嵐」
まして「夏疾風(なつはやて)」のない
時代(S9年1934年初刊)の歳時記より。


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本日6月15日付けの
日本経済新聞 朝刊
最終面文化欄 連載
「ミチクサ先生」
伊集院静/福山小夜
此の日の挿絵は正に
虞美人草(ポピー)と 💠
漱石『虞美人草』の
ヒロイン甲野藤尾。👩

朝日連載が始まって
好評裡に漱石は読者
の投書が気になり…
弟子たちを集めては
それを読みあげさせ
何やら考え込んで…
虚子は胃病に障りは
しないかと危惧する
… 臨場感溢れる場面。


虞美人草(雛罌粟ひなげし)は
初夏から三夏まで歳時記 季語
愛でるなら 詠むのなら六月…
漱石が執筆し始めたのも連載
し始めたのも作品世界の季節
感も… 連載小説だからこその
仕掛けなのか構造主義的には
やはりこうなるものなのか…
流石に美しい挿画転載は不可。

藤尾の最期を伊集院氏と福山
氏は果たして描くのだろうか。


【虞美人草福山小夜の藤尾の眸(め)】


原画展 催される節には必ずや参ります…
伊集院静氏と福山小夜氏と何卒ご健勝に。👫


👫
伊集院静…1950年生 山口県出身の作家・作詞家
福山小夜…1951年生 奈良県出身の画家・イラストレーター


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