NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

カテゴリ: 文学

『ポプラの秋』は夏の家探し


湯本香樹実さんの
『夏の庭』
『ポプラの秋』
を久しぶりに生徒にススメている。
十年ぶりぐらいにオシているのだ。

前者は1992年初刊だが昨年新改築で
の図書館開きをした勤務校で、32年
前の単行本が見つかり嬉しくなって
束の間借り出し(生徒が来るから)
返すまでに解説やプロフィールなど
文庫本で増えたもの変わったものを
確かめて楽しんでみた、慕わしい。

後者は1997年初刊「文庫書き下ろし」
で、二学期をほぼ費やしてこの一冊
で授業を展開したことがある、最後
数頁の声読は、必ず泣けてくるのだ。


たまたま今日、とある高2男子から、
「何読んでも続かないし読めないん
ですよ、なにかいい本ありませんか」
と、本気で相談を受けたので、迷わず

『夏の庭』

と答えた…(それを読んだあとの『ポプラの秋』
は、もっといいよ)という言葉は呑みこんだ。


【ポプラの木花言葉の希望をキミに】


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知念実希人さんは本屋大賞👑に計五回ノミネート

『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』
            2024年(9位)
『硝子の塔の殺人』      2022年(8位)
『ムゲンのi』     2020年(8位)
『ひとつむぎの手』   2019年(8位)
『崩れる脳を抱きしめて』2018年(8位)

いずれも下位入賞ですが、
この七年間で五度の登場は
素晴らしい金字塔なのです。🏰


シリーズものはオリジナルもしくは外す
エンタメ性よりも文学性・物語性を評価
謎解きミステリー<人間ドラマの虚構性
泣ける感動はあればよいが必須ではない

という

選定基準で勤務校の知念ファン生徒さん
リクエストにお応えします… ご感想等を
ブログ読者の皆さまお寄せくださいませ。


《あくまでもNPランキング8》


1位 機械仕掛けの太陽
2位 崩れる脳を抱きしめて
3位 ひとつむぎの手
4位 レゾンデートル
5位 ムゲンの i
6位 傷痕のメッセージ
7位 硝子の塔の殺人
8位 祈りのカルテ


【医師の師と作家の家に惹かれたり
   知念実希人のレゾンデートル】


神戸新聞4 月28日朝刊の社会面記事、
2024年本屋大賞9位作品の出版社は、
兵庫県明石市にあり…「本好き」を
応援しているのです…作家も、私も。


【本好きを自問自答の昭和の日】


さて今から『NP』誌出版社の社長さんが
カホン(パーカッション)奏者を務める
バンド「夢☆チャンス」の登場する🎉🎉
芦屋ジャズフェスティバルに向かいます。

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👑
本屋大賞は4月発表で芥川賞直木賞に並ぶ注目度
… 2010年の本屋大賞で村上春樹さん『1Q84』は
ノミネート10作品中で最下位でした…以後卒業。
この年は冲方丁(うぶかたとう)氏の『天地明察』
が大賞で…2位に夏川草介『神様のカルテ』以下
吉田修一・三浦しをん・小川洋子・川上未映子・
有川浩・東野圭吾 他諸氏という錚々たる顔ぶれ。

🏰
金字塔それ自体が「レゾンデートル(存在理由)」
だと痛感するデビュー作の『レゾンデートル』…
改題前の原題は『誰がための刃  レゾンデートル』
(2012年)で当ブログの文学記事アーカイブにある
「読んでおきたい医師で作家10人」の最新鋭者。



いしょうあん

旧谷崎潤一郎邸

移築の際に鉄骨を入れたお陰で
阪神淡路大震災に於いて硝子戸
も瓦も全く無事だったとのこと。

神戸市東灘区の住吉川べりの西岸に位置し
さらに川を下ると間もなく六甲ライナーと
阪神電車の魚崎駅が見えやがて河口に至る。


神戸には三大災害があった。

神戸大水害(1938年7月3〜5日)
神戸大空襲(1945年3月17日)
阪神淡路大震災(1995年1月17日)


倚松庵の一階でソファに寛ぎながら、
三大災害についても紹介されている
モニター画面で、谷崎文学とりわけ
「細雪」や作家の生きた時代を視聴
するのは、よく晴れた休日(倚松庵
公開は土日だけ、無料)の至福だ。


【こいさん、で早泪ふる細雪】
(『朱華』冬の扉)


【ようおこしやす、晩春の倚松庵】


[神戸市公式ホームページより]
谷崎潤一郎はこの家に昭和11年11月から18年11月迄
住みました。ここで過ごした夫人・松子とその妹たち
や娘との出来事を等身大で書いたのが『細雪』です。
この家に入ると作品世界が目に浮かんできます。
 

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2024年本屋大賞で第4位
医師でもある夏川草介さんの
京都の街なかを舞台にした連作で
第一話は「半夏生」、装丁に相応しい。🌿

和菓子に目の無い医者が登場しますから、
早朝読書に何か一品あればよいのですが、
見つからず、せめて日本茶をと「茎茶」。


勤務校の新しい図書館には、2024本屋大賞の
紹介コーナーやポップや入賞本もあるものの、
「成瀬」含めて一向に借り出される気配なく、
授業で紹介する前にと教員が先に借りました。

夏川草介さんは『神様のカルテ』で本屋大賞
2位の実績があり、映像化で更に人気作家に。

2024年本屋大賞で9位だった知念実希人さん
と同じように、「現役医師」なんですよね、
もはや頭が下がるとしか言いようがないです。

今年も国語では「論理国語」を担当していて、
授業ではないのですが、隙間を縫って小説も
論理的にお伝えします。
知念ファンもいるので、たいへん楽しみです。

草介ファンはいるのかな?
ペンネームが夏目漱石と関連するのはご存知?


いつの間にか「春土用」(土用期間は季節の
変わり目で、今年は立夏前日までの19日間)
に入りました。立夏から約二か月後が半夏生。


【スピノザのレンズ磨いて春土用】👓


🌿半夏生(はんげしょう)・・・
雑節の1つで、半夏という薬草が生える頃。
様々な地方名があり、ハゲ、ハンデ、ハゲン、
ハゲッショウなどと呼ばれる。
七十二候の1つ「半夏生」から作られた暦日で、
かつては夏至から数えて11日目としていたが、
現在では天球上の黄経100度の点を太陽が通過
する日となっている。毎年7月2日頃にあたるが
2024年は7月1日と、そこからの五日間。


👓スピノザ・・・(1632-1677)
オランダの哲学者。レンズ磨きを生業の一つ
とし、思索と執筆に専念。著書に『エチカ』
『知性改善論』など。(水鈴社の標題本より)



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主人公の成瀬あかり、中学二年生のことば
「わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
が帯裏キャッチに挙がっている、冒頭科白。

2024年本屋大賞受賞作
『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈
(新潮社2023年3月15日初版)

不覚にも、36ページまでの上記第一話で
なぜか泪してしまった、よくわからん。(T_T)

勤務校の授業担当クラスで必ず紹介をして
いるし、知り合いの中高教員にも情報発信。


一方


表紙右側と背表紙に、挑戦状型キャッチの
「あなたには、この間取りの『謎』が、
解けますか?」が縦に小文字で入る文庫本。

2023年最も売れた小説(日販調べ)
『変な家』雨穴(うけつ)
(飛鳥新社文庫版2024年1月31日第1刷)

こちらは、残り30ページで一旦読みを中断し、
映画に行くことにしてオチとテーマを推理中。

それぞれ続編の
『成瀬は信じた道をいく』
『変な家2』
は 勤務校の図書館司書さんにお願いして
入本連絡待ち…  『NP第2号』とどちらが
早く届くだろうか、これも置いてもらおう。


【ゆく春の近江の本に泪する】📖


📖近江(おうみ)・・・
淡海(淡い湖で琵琶湖)が語源で現在の滋賀県。
行く春を近江の人と惜しみける(芭蕉『猿蓑』)
『成瀬〜』は滋賀県大津市から始まる連作集。


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