NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

カテゴリ: 文学

9月22日(金)〜27日(水)
11時〜18時(最終日は16時まで)

神戸市東灘区御影中町6-1-8 
国道2号線沿い(阪神御影駅約5分)

南天荘画廊(078-851-6729)にて
開催され、展示チャリティ販売があります。

大小の絵画、工芸造形、写真、小品、小物
文学、本や冊子、愛蔵品や芸術品などなど


わたくしNP宏も参加出品いたします。

賢治は俳句を生涯で三十句のみ遺しましたが、
全句を30枚のカード栞に筆サインペンで書写。
また、
わたくしの賢治モティーフ句から、
千代紙人形しおり六葉に同じく書写。
共に販売いたします。

そして、
『NP創刊0号』と『俳句雑誌 奎26号』他も、
チャリティ販売しますので、お買い上げのかた
にはお好きな句のカード栞1枚をお付けします。


22日(金)は不定時(ご連絡ください)に
23日(土)は11時〜13時に
24日(日)は全日に
27日(水)は13時〜16時に
在廊いたします。



お越しいただければ幸せです。


世界がぜんたい幸福にならないうちは
個人の幸福はあり得ない・・・(賢治)


【賢治の忌いつか世の為人の為】
(『朱華』秋への扉より)

【月夜にはでんしんばしらよく見える】
(同上)


【月の夜にでんしんばしらの影を追ひ】


賢治の童話「月夜のでんしんばしら」は、
電信柱の列を軍隊行進になぞらえた電気・
通信の黎明期らしいエピソードと言われ
ますが… 軍国主義化に忍び寄る不気味な
影を読みとることも出来ます… 「寓話」。


《画廊からのメッセージ》

展覧会のご案内です。

"それぞれの宮澤賢治"展
2023.9.22金〜27水
11時〜18時
最終日16時

賢治さんの言葉

世界全体が幸福にならないうちに、個人の幸福はありえない

この言葉が展覧会のあり方を決めました。

そして
雨ニモマケズから
ワタシハナリタイまで
声に出して読んでみて
DMが決まりました。

絵画、工芸、写真、文学、ご参加いただく皆様のそれぞれの宮澤賢治の表現をお楽しみください。

東日本大震災後、その土地に生まれた賢治さんの作品や生き方にふれ、ささやかな学びの場になればと毎年開催してから11回目を迎えました。1933年9月21日に37歳の若さでこの世を後にしたものの、今も私たちの中に生き続けています。

世界の幸せを祈りつつ
ご来廊お待ちしています。


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商店街の本屋さんで買い込んだ二冊がお伴です、
岡山まで青春18切符 姫路乗り換えで2時間51分。

椎名誠さんが67歳(2011年)の時に書いた作品で、
平成28年(2016年)の初版文庫本を見つけました。

宮澤賢治の実弟清六氏の孫和樹さん監修の新書、
7月1日に出た改訂新版ですが元は2011年の出版。


共通する2011年に何があったんだろと考えると、
東日本大震災で 更には新倉和文先生ご逝去です
…十三回忌法要が8月下旬出石で営まれ参列予定。


死について、生きることについて考えを巡らせ、
国立病院機構 岡山医療センターの元教え子さん
イチロー医師に5年ぶりにお世話になります感謝。

椎名さんの文章は、人間ドックに入る話題から
始まるので、思わず微笑んで、監修本は幸せに
ついてのキャッチで賢治の「世界全体の幸せ」。


【死の前に夏どう生きる…間に合わず】


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七月も残り少なくなってくると
この夏にも終わりはあるんだと
さびしくなり始めるそんな毎日。

わたくしは矢鱈と本をムダ買い
するように思われているのかも
知れませんが図書館も好きです。

夏は特にたとえば今なら三冊の
本を借りていて『NP』誌作成の
余韻でエッセイ評論やコラボ物。


神戸市立東灘図書館がすぐ近く
少し内省的になった日は終日を
過ごしても悔いがないぐらいで。

エッセイ本のコーナーがかなり
広くて女性作家のエッセイだけ
開架本棚立ち読み梯子しました。

エッセイも古い年代物では亡霊の
ように生き残っているものもあり
リアルな輝きを保っているものも。

新しいものは別の箇所に置かれて
いるようでほどよく読める十年物
ぐらいが熟成して美味で次の一冊。

『すばらしい日々』(よしもとばなな)は
元映像ディレクターでフォトグラファー
潮千穂さんの写真が随所に入り心地よい。

対比バランスで橋本治氏のやや評論系の
『負けない力』これは八年物で力強くて
教育や教養に関する提言苦言で耳が痛い。

しかし心地よいものだけがよいのでは無く
耳が痛いものこそ滋養強壮になる気もして
文章とりわけエッセイというのは不思議で。

万年筆を使いこなす奥深さを感じている折
『たましいのひとりごと』は表紙につられ
(作家川上未映子.歌人穂村弘)これも八年物。


三冊併行で読みますと言うより読み散らかします
画像は出口近くのベンチで館内冷房よりもマシで
上着を忘れた身には有り難くも長電話の声に辟易。



【あと十年生きるよと八年前に
   父は言った最後の夏だった】



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2023年7月28日はメモリアルデー、
未明2時過ぎからずっと謹呈贈本の袋詰。

ちょうどその時刻から、メジャーリーグの
タイガース対エンゼルスのダブルヘッダー
生中継が始まり、第1試合で大谷翔平投手
メジャー初完投初完封、第2試合で同じく
2番DHでの第37号ツーラン&第38号ソロ
ホームランを見届けながら、記念日の作業
を合わせて満喫中… 熱い一日になりそう。


20名を越える執筆者の皆さんに集って戴き、
多種多様性(ダイバーシティ)に彩られた0号、
それは時季的に海のイメージ夏のイメージ。


大袈裟ではなく、刊行の趣旨・コンセプト
には理念があります… その一つが「異種を
排除しない、異界に学ぶということ」です。

そして0号非売品であるにもかかわらず、
こころよく組版・デザイン・編集・刊行
を引き受けてくださった時岡伸行社長の
ケイエスティープロダクション発エール
「デジタル社会に対してあまねく紙媒体
と文字の良さをひろめること」なのです。

さらには編集に執筆にと大車輪の活躍を
してくださった編集部のスタッフの献身 
を通して、あらためて感じたことですが
「いつか世のため、人のため」つまる所
「社会貢献」… これは次号の創刊第1号
で明示したいと考えています… 乞ご期待。


【栞そっと挟む頁に夏の海】


あれ?… 大谷さん脇腹を痛めたのか交代を
してしまいました、軽傷でありますように。

忘れられない日になりそうです、祈念日。

皆さまには、よい一日でありますように。


🌊🌊🌊🌊🌊🌊🌊

芥川龍之介は1927(S2)年7月24日の未明に、
睡眠薬の過剰摂取により他界しています…
妻(文)と子(男子3名)を遺して満35歳でした。


論友か論敵か谷崎潤一郎の誕生日でもあって、
とかく噂が立ちましたが谷崎は神戸から上京。


芥川はその日に向けて睡眠薬摂取量を増やし、
普段からフラフラしていたとの内田百閒説は、
「東京の夏が暑かったから」と… シンプルで。


昭和二年四月発表の「食物として」… 超短編
エッセイが青空文庫に遺っていて、全文転載。


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食物として  芥川龍之介

 金沢の方言によれば「うまさうな」と云ふの
は「肥つた」と云ふことである。例へば肥つた
人を見ると、あの人はうまさうな人だなどとも
云ふらしい。この方言は一寸食人種の使ふ言葉
じみてゐて愉快である。
 僕はこの方言を思ひ出すたびに、自然と僕の
友達を食物として、見るやうになつてゐる。
 里見弴(とん)君などは皮造りの刺身にしたら
ば、きつと、うまいのに違ひない。菊池君も、
あの鼻などを椎茸と一緒に煮てくへば、脂ぎつ
てゐて、うまいだらう。
 谷崎潤一郎君は西洋酒で煮てくへば飛び切り
に、うまいことは確かである。
 北原白秋君のビフテキも、やはり、うまいの
に違ひない。宇野浩二君がロオスト・ビフに適
してゐることは、前にも何かの次手(ついで)に
書いておいた。佐佐木茂索君は串に通して、白
やきにするのに適してゐる。
 室生犀星君はこれは――今僕の前に坐つてゐ
るから、甚だ相済まないけれども――干物にし
て食ふより仕方がない。然し、室生君は、さだ
めしこの室生君自身の干物を珍重して食べるこ
とだらう。


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気楽に「きのう何食べた?」と訊いてみる時、
芥川的には、「きのう誰と会った(話した)?」
となり、その「食物は人物」のメタファです
… 西洋酒で煮ても喰えなかった谷崎潤一郎?


未明から芥川の食にまつわる噺をあれこれと
読んでいる早朝に、はたと気付いたことです。

「きのう何食べた?」は「きのう何読んだ?」
「きのう誰に会った?」に置き換えられます、
『きのう何食べた?』コミックス本の含蓄も
また、かくの如きアレゴリーで考えると情趣。


下掲最新刊は丁度二か月前に発売されたもの
で、自称「何食べ伝道師」のかたからの賜物
… 作ったりはしませんが掲載レシピも楽しみ。

シロさんケンジくんというダブル主人公二人
の成熟円熟の心温まる物語としてもう21巻目。

… 初読からじっくり再読三読と観点をかえて、
ゆっくり季節の流れのなかで「食物として」
登場人物をみるのも「うまいのに違いない」。


【シロ葱をケンちん汁に合わせ食べ】


【河童忌に仕事準備の小確幸】


【きのう日本料理食べたよ夏期講習】


【夏空にLGBT溶け込んで】


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