NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

カテゴリ: 外国文学

Book1(4月~6月) でも同季並行で読んだ際に
その違和感はありましたが(Book1は7月含む)
「季節感」の必要性・妥当性が大いに疑問…。

青豆と天吾が繋がり始めたところで一旦停止
… この村上春樹さんの大作には「魔術性」を
強く覚えます… ホルヘ・ルイス・ボルヘス的。

ボルヘスの代表作のひとつ『砂の本』を想起
… 始まりも終わりもなく無限にでたらめな頁
が湧き出でる「言葉の砂漠」にある聖なる本。

四分の三を読んでしまったBook2を一旦停止
して… 九月に入り赤坂見附駅構内浸水という
リトルピープルの魔術性か「異世界」の場面。

リアルでマニアックでビビッドな表現箇所と
幻想的で荒唐無稽で虚無的な描写とが混在し
…「時空」や「神」の概念を揺さぶられます。


昨日は今学期最初(コロナ禍のため)で最後の
保護者懇談会(学年集会)が系列大学の大教室 
で行われ… 終了して机上で安堵の珈琲タイム。

ワクチンや引っ越しを済ませ真夏過ぎた頃に
再読開始を考え… 『ねじまき鳥クロニクル』
第1部泥棒かささぎ編にスライドをします…。


スパゲッティを茹でたくなる…「猫の町」と
いうショートショートが『1Q84』にあり…
昨日の授業で朗読教材にしましたが…同様に。

ヤナーチェックではなくロッシーニで始まり
…しかし猫の話は共通して出てくる…それが
「暴力とエロスの予感」…1994年4月初刊本。

NPにボルヘス『砂の本』を教えてくれたのは
写真家で批評家 港千尋さん『新編 第三の眼』
合わせて読み返しています… 本をよめる季。📚️

陰暦皐月二十四日… やがて晩夏の水無月です
梅雨明けは土用入り(陽暦7月19日)の頃かな…
そんな気がします… 真夏の東京五輪なのです。


【魔術師の真夏にねじを巻く五輪】


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フランスの近代哲学者 アランはペンネーム…
「幸福論」は論ではなく新聞連載のエッセイ
「プロポ」はアランの生み出した新文学形式。


1868年生まれ~1951年没  四十年間 高等中学校の
哲学教師を務めたこと モーロワやヴェイユらの師
新聞の「プロポ(哲学断章)」は二十年以上続いた
こと 第一次大戦に砲兵従軍 主著として 『芸術論』
『神々』『思想と年齢』『海辺の対話』等… 履歴。


デカルトやスピノザをよく引き良識(ボンサンス)
を決めつけない究極の楽観主義(オプティミズム)
者でユーモアやウィット(フランスではエスプリ)
の効いた具体例や比喩表現を巧みに自然に駆使…
プラトンも援用に使います… ストア派哲学です。


クイズは第一回・第二回合わせて第三回に解答。


[第二回]

アランの「幸福論」の主旨として1~10に入る
ことばを後の選択肢から答えてください。(^^)/


a 間違った(   1  )をとり除けば(   2   )は直る

b いちばんいいのは(   3   )療法であり、愛の
       (   4   )は健康によく、憎悪は反対に悪い

c (   5   )だから笑うのではなく笑うから(   5   )

d プラトンの二大療法の一つは体操であり、
       もうひとつは(   6   )である

e (   7   )のオプティミズム↔️最悪の(   8   )主義

f 楽観主義とは信じること・(   9   )を持つこと・
      微笑むこと…そうして(   10   )を続けること

《希望・幸福・不幸・情念・音楽・仕事・
        悲観・臆断・上機嫌・不撓不屈》


ビフォーアフターに守谷昌紀さんが出演した
から彼は幸福なのではなく… 幸福だから出演
したということ… 著書『建築家と家を建てる、
という決断』はアランの幸福論に裏づけられ
た「建築士の福音書」… 笑うからいい仕事…。


あとは直前に復習すれば大阪市平野の「匠」
と「アラン談義」出来るかな… 春の夢は季語。


今は夢から覚める早朝ですが
午前十時のおやつ予約投稿に
します… おつかれさまです… 。☕️


【笑うからいい仕事する春の夢】


【反面教師より正面教師の春】


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もっともよく知られて又 人気キャラ
であるキッカイな生き物の登場する
『うろんな客』(1957年 32歳時) の
原題は“The Doubtful Guest ”です…
疑わしい・怪しい・あやしげな客?
その正体は一見最終ページの詩文で
明かされるようにも思われますが…
それでも「解釈」は多様だそうです。


ミステリアスmysteriousはカタカナ
では通じない英単語らしくて和訳も
神秘的な・不可思議な・謎めいた・
怪しい・妖しい・わけのわからない
正体不明の… など幅広いようです。

エドワード・ゴーリーの世界は その
共通訳語である「怪しい」ものです。


「不条理の絶対性」という逆説的で
面白い解説も この一冊の中にあり…
では不条理を表す英単語のabsurdを
調べると… 不合理な・ばかばかしい
・ばかげたなどにも行き着きます。

まあ そんな世界なのですからこそ
帯裏にもあるように… 彼の仕事は
「とても素晴らしく、謎めいた…
じつにうっとりさせられる もの」
なのでしょう…基本的に作品の多く
はモノクロで描画され 漫画や絵本
のように 短かめのフレーズが付く。


【Seeing  is believing. 賀状書く】


初めて英文入りの句を作りましたが
(英単語入りの句は『蒼穹』秋の部)
… 俳句じゃない?…ばかげた?…かな。


今までにない賀状2021を作りました
自粛気味の一律文言を回避して発注
し依頼通りの仕上がり… 一昨日から
お気に入りの呉竹筆ペン細字で始書
… 人日(1月7日)に当ブログ掲載予定。😄


どんよりした冬そのものの夕暮れ…。

クリスマスイブに降り出した雨は…
いつか雪へと変わらないでしょうね。😅
(山下達郎擬き)



【アブサードクリスマスイブミステリアス】


初めてカタカナだけの句を作りました。m(__)m


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それはたまたま(玉玉)
冬至(当時)の出来事…。

多分無農薬と思われるゴリゴリ
柚子玉を二ついただいて帰り道
行きつけの大きい方の書店にて。

(大は百貨店に…小は街なかに…
メガは政令指定都市に… 中 無し
そして超メガは原生林の奥地に)

『エドワード・ゴーリーの世界』
という紹介ガイドブックの一冊
をゲットしました… コロナ不安
募り全国緊急事態宣言の出た頃
2020年4月初刊の「改訂増補版」。

単なる絵本作家ではありません。
(そもそも単なる作家はいない?)
リリック=抒情詩に溢れた創作。


「うろんな不安」がゴーリーの
エッセンスの一つなので…頃が
よくなかったかも知れませんね
… うろん:胡乱とは「確かでなく
怪しい」「うさんくさい」こと
まさに新型ウィルス感染の不安
そのものであり… 気を回すのも
憚られ埋もれつつあった本かも。

シカゴ生まれ75歳の2000年4月
マサチューセッツで生涯を終え
(心臓発作)… その後に幻想的な
アナグラムを用いた作風と私家
版を多く残したこととで熱狂的
なコレクターを生んだそうです。

確か兵庫県伊丹市にゴーリー展
が来た時にファンとして行かれ
たかたに頂戴して知り得た作家
…『~世界』と合わせ繙(ひもと)
き楽しんでいます『うろんな客』
は「珍客侵入」にまつわる…そう
まさしく「うろんな不安」の話。
(コロナ社会渾沌の未来予想図?)


はてな?今回肝心の「五里霧中」
状態の(胡乱を表す四字熟語か?)
『エドワード・ゴーリーの世界』
の方の話は?… 新刊書ネタバラシ
になります… やめておきましょう
是非共「ミステリアスメタファ」
(NPネーミング)ゴーリーの世界を
堪能されたかたと語らいたいもの
… ただただ めちゃくちゃ面白い。


【柚子玉のふたつゴーリーにほひたち】


【ゴーリー夢中冬至に当時甦(よみがへ)り】
(宏川)


柚子湯にはヘタを取って浮かべますが
その面の方が重くて下になるのは同じ。


【軽重の鼎(かなえ)柚子湯で自問せり】


【ゴーリーを探せそいつは別作家】
(宏川)



世界文学を語った時に、
KB先生の「これ一冊」は、
ロバート・アンスン・ハインラインの『夏への扉』でした。

後日お借りして、
慣れないタイプのSF小説で少しだけ間がかかりましたが、
とても面白くなり後半は一気に読み終えました。

「ロング(コールド)スリープ」がモティーフです。
1988年に亡くなった作家が、
1957年に著した、
1970年にロングスリープに入った主人公が、2000年に目覚めるという長編。

「この世から風邪と言うものが一掃されて、鼻水をたらす者が皆無という時代に目覚めたことは、三十年間眠っていた甲斐があったというものだ。金星に研究施設ができたことより、ぼくにとっては大きな意味があった。」

「・・・重力消去機(ナルグラフ)・・・彼らは空間の構造を変えたのだ。」

「すばらしい! ぼくはこの理論を学ぼうとしたが、その数学は、テンソル微積分が終わったところからはじまっていた。とうていぼくの手には負えない。」

これらの近未来予想図は残念ながら外れたわけですが、
とても興味深かった中盤からの引用です↑。

今「限定の終焉」を迎えつつある「New 冬季限定 Melty kiss 初摘み濃抹茶」(こだわりバニラと並んでシリーズ最上の美味…)と共に、
上記中盤部は読んでいました。


因んで考えてみます。
「茶摘み」は「八十八夜」とともに春の季語、
「新茶」は夏の季語です。
新茶は夏になってから飲むものとされていました。
その時(陰暦の昔)お茶とは抹茶(碾茶てんちゃ)が基本となっていたのです。

したがって実は、
画像の一見「季節不詳」「意味不明」のような組み合わせの中には、
「冬-春-夏」の流麗とも言える連鎖があるのです。
これも構造主義的発想です。

たいそう美味しゅう(面白う)ございました。

それにしても下記Wiki(編集)の末尾にもある、
『夏への扉』の「日本限定の人気」とは、
いったい何なのでしょうか?

季節限定ならぬ日本限定!

それこそが・・・もしかすると、
「抹茶的」な文化・時代解釈の「えも言はれぬ妙味」
(とても言葉に出来ない味わい深さ)
かも知れない・・・と考えています。


初摘みの季節限定抹茶チョコ
 立春前の『夏への扉』
(宏)

DSC_0633 (1)


















*ロバート・アンスン・ハインライン(Robert Anson Heinlein、1907年7月7日 - 1988年5月8日)・・・
アメリカのSF作家。SF界を代表する作家のひとりで「SF界の長老」(the dean of science fiction writers)とも呼ばれ、影響を受けたSF作家も数多いが、物議をかもした作品も多い。科学技術の考証を高水準にし、SFというジャンルの文学的質を上げることにも貢献した。他のSF作家がSF雑誌に作品を載せるなか、ハインラインは1940年代から自分の作品を「サタデー・イブニング・ポスト」などの一般紙に載せた。この結果としてSFの大衆化が進んだのは、ハインラインの功績の一つである。SF小説でベストセラーを産んだ最初の作家でもある。アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラークと並んで、世界SF界のビッグスリーとも呼ばれていた。

初期の頃は未来史シリーズなど、科学小説としてのSFを書いていたが次第に社会性を強め、『宇宙の戦士』では軍国主義を賛美する兵士の描写があったことから右翼と呼ばれ、一方の社会主義者の名残が表れている『月は無慈悲な夜の女王』では左翼と呼ばれるなど多彩な顔を持った。中でも宗教やポリアモリーを扱った『異星の客』の反響は大きく、ヒッピーの経典と崇められ、ファンが分かれたという。

以後『宇宙の戦士』、『ダブル・スター(太陽系帝国の危機)』、『異星の客』、『月は無慈悲な夜の女王』でヒューゴー賞を計4回受賞(いずれも長編小説部門)。アメリカSFファンタジー作家協会は1回目のグランド・マスター賞をハインラインに授与した。

ロマンティックなタイム・トラベル物『夏への扉』は特に日本において人気の高い作品であり、SFファンのオールタイム・ベスト投票では、度々ベスト1作品になっている。 しかしアメリカにおいては『月は無慈悲な夜の女王』と『異星の客』がクローズアップされることが多く、『夏への扉』は日本での限定的な人気にとどまっている


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