NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

カテゴリ: 歴史

百年の歳泡沫(うたかた)の人


吉村昭の『関東大震災』
1977年(昭和52年)8月刊文春文庫の
2004年(平成16年)8月刊の新装版を
2023年(令和5年)8月刊のダブルカバー
商店街の本屋さんコーセイブックスのカバー
合わせてのトリプルカバーで読んでいます。📖

高名な地震学者の大森房吉と今村明恒の 
対立から始まり、大森死去と今村無力感
で閉じられています… 今村は東京大地震
と死者20万人とを予言的中させ、大阪の
大地震分析を外し、大森は地震学を確立
させ今村予言混乱を収拾して敗北します。


姫路回りで豊岡までの法要参列の途上…
青春18切符で快速・新快速・普通に乗り
神戸から四時間半ほどかけてゆっくりと
旅のお伴は一冊のみ…1923年(大正12年)
9月1日から100年の節目になるのです。


故新倉和文先生の逝去からは12年が過ぎ…
菩提寺の豊岡市出石福成寺(ふくじょうじ)
で十三回忌法要が営まれました…去る者は
日々に疎しとは言えず…59歳で鬼籍に入ら
れた2011年9月21日野分の朝がいまだに…。

南無阿弥陀佛南無阿弥陀佛…南無三南無三
彼のお称(とな)えが聞こえてくるようです、
龍谷大学非常勤講師として仏教文学講義も 
担当されていました… 翌年誕生のお孫さん
はすらりとした小学五年生で算数が得意…。


私事八月には三度の法要供養がありました
… こんなに鎮魂の思いにつつまれたことは
無くもはや五感が此岸にはないかのようで。


【哀しみに疎き幸い秋彼岸】


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阪神西宮駅南から高架沿いに東へ歩いてすぐ
小尻知博記者(享年30歳)の遺影に手を合わせ
ただ祈るために朝日新聞西宮阪神支局に行き
36年間という時の流れを痛切に感じました。

新聞記者ならずとも書く者の使命やペンの力
を奪う暴力への怒りは決して風化しません… 
祭壇の入口内側には警察官のかたが一人いて
とても丁寧に扉を開けて中に入れてくれます。


【唯合掌祈念せり憲法記念日】


いつかの当ブログ記事にあった最も重要かつ
肝心たる対比語は「具体と抽象」であるよう
に思われてなりません… 具体は滅びても抽象
は遺り… いいえ遺る具体こそが抽象化します。


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二か月間クルーズ船は運航出来ず
秋分の日前日から漸く再開したと
島内広場で案内説明がありました
… 長崎市が上陸ツアー可否を決定。

天候・大気・気象・保存・調査・
倒壊・修築等… 危険は多いらしく。


軍艦島の正式名称は「端島(はしま) 」
明治から昭和にかけて海底炭鉱で栄え
炭鉱の閉山にともなって無人島になり 
2015年には軍艦島を含む「明治日本の
産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭
産業」が世界文化遺産に登録され七年。

岩場に埋立を重ねた人工島… 完成した
外観が当時の軍艦「土佐」に似ていた
という通称… 文化都市空間だった意外。

劣悪な労働環境での炭鉱のイメージは
まったく異なるらしく日本で初の鉄筋
集合住宅や幼稚園小中学校なども充実
などなど… いつか初めて訪れるかたの
為にこれ以上は伏せます今は廃墟です。

桟橋から続く見学通路と見学広場だけ
… しかし発着港近くの三菱造船所地域
のジャイアントカンチレバークレーン
や途中寄港の高島を含めての世界遺産。

再訪まで崩れずに遺っていてほしいと
… 一部建造物が「余命半年」との学者
診断を越えていまだあるように… この
島にも旧グラバー邸という世界遺産の
構成要素の主トーマス・グラバーの息
づかいが海に敷いた電話線と共に残存。


青い空と海と
強い日差しに
海風心地よく。


【秋風は世界遺産の海の色】


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画像は一枚も残していませんが
美術館博物館ランキング2018年
博物館第1位と記載で入場料の
200円リーフレット画を帰還後。

そんなことより視る聴く覚るレポ。

長崎には観光の物見遊山ではなく
文学(遠藤周作)歴史(原爆)の学び
…それが三人会開催決行の趣旨で
したから標題の施設に最も長くの
滞在時間を費やして尚且つ必ずや
再訪をと意を強くしておりました。

未来志向型の資料館に痛切の極み。

実は少し遠くの五島列島に面した
遠藤周作文学館にバスの乗り違い
で行けなかった為に余分に空いた
二日目の午後ほとんどを費やして
… これは到底一日では無理まして
半日では… よって多くを諦めるか
のようにして修学旅行団体らしき
行列が入口から入場し始めたのを
きっかけに同行者と退場しました。

平和町にあり隣接する関連施設の
原爆戦没者追悼平和記念館は無料
こちらも次回に… 疲れならず充実。


ふうっと息をついて又坂を登り
平和公園の平和祈念像を撮って
そこでデジタルデトックス入り
… 単に充電切れになったのです。


【資料館再訪すべき長崎忌】


【同年に夏広島と秋長崎 
   七十七の喜寿とこそ知れ】


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怪傑ゾロというスーパーヒーローなら歓迎ですが

警察ゾロはお互いを監視し批判し合うようですね

自粛警察は戦時下でコロナ時代の言葉のみならず。


ゾロゾロ出てきますね… この非常時に何を言うか

何をしているのか不届者けしからん… 挙句の果て

には… 非国民でしょうか?そうなってはいけない。


行動制限を国は課していませんから余計に自制が

求められます… が自粛を他者に強制し守らぬ者を

摘発告発しバッシングあるいは罰thing…いやだね。


でも戦争への入口とは… そうなのかも知れません

鎌倉殿の争いとスポーツの闘いの番組に挟まれ…

NHKスペシャル「ガダルカナル島の悲劇」を視聴。


【反対と言えぬ八月 ガダルカナル】


1942年にはすでに「転進」という嘘偽りの造語で

… 敗退を認めなかった大本営即ち国家の醜い姿勢

と微かな違和感を抱えながらも盲信を重ねる庶民。



そのなかでおそらく自粛警察は花盛りだったはず。



終戦記念日… 違うでしょう理不尽無惨極まりない

「敗戦日」ですよね… 平和記念式典は「祈念」で

同郷の絵本作家で工学博士かこさとしさんを想う。


19歳の時 疎開先の三重県で敗戦を迎え余命(!)を

平和&創作活動に捧げようと決意して大学を再開

…代表作となる絵本に「だるまちゃん」シリーズ。



【手も足も出ないだるまに手足つけ

   なんでもほしがるだるまちゃん描く】



四年前に他界されましたがお聞きしたかったなあ

なんでもほしがるだるまちゃんやあたえてしまう

てんぐちゃんに… いったいなにを暗喩しましたか。


【盂蘭盆の いちばん長い日の虚空】 

【敗戦日 かこさとし余命の絵本】

【手にビッグイシュー 八月十五日】

(『朱華』敗戦日の三連句 )

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