NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

カテゴリ:詩・短歌・俳句 > 詩と詞

後(おく)る
愛(いと)し


    「生きる」

併読している文庫本たち

よく読んでくれる読者に

拾われたものは幸せだと

ただ其処に在るしかない

本たちにも心のあるなら

思って貰えるように読む


映画に前立つか後れるか

どちらも同じように読む


読むことなく見ることの

あまりにも易くなり果て

鑑みることの無きを憂う


たとえば次は「生きる」

『生きる』という映画
 
見て鑑みる読んで鑑みる


春の雨は降り続いている

春に散るも後るも唯愛し

今は横浜流星と佐藤浩市



前(さき)立つ
鑑(かんが)みる


【本をよむ詩をよむ生きる春の雨】


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決意してのち気の収まりぬ


「言葉を大切にする人にしては
  画像に頼り過ぎではありませんか」

画像掲載上のマナーも含めて
このような有り難い御指摘を
戴き一週間の思考を巡らせた
のち標題の心境に至りました。

映写は映えて写すなんですね
○○映え… 映えてみえるって
実体を現物以上によくみせる
下心の賜物と言えなくもない。

「言葉の美しさを大切にして
  画像に頼り過ぎず表現します」

強さではなく美しさです
それが勝るではなく優る。


先日
俳句甲子園関西支部のお世話で
文芸部俳句部の中三生達4人が
zoomでの俳句甲子園模擬試合
関西三校交流戦に挑みました。


洛南に2−1で勝ち(兼題:マフラー)
灘に0−3で敗れ(お題:球)ましたが
高校生相手に大健闘でした…最後
の挨拶でメンバーに加わって間の
ない女子生徒さん…「精進します」
この一言のなんと美しかったこと。


見えないモノを見ようとして(「天体観測」)
真摯に懸命に言葉でたたかう姿勢の美しさ。


【勝るより優る言葉の強さより
  美しさそれを優しさと云う】

【数え日に新たな道の決まりけり】


もう大丈夫かな…あと少しをNPも精進します。


二十四節気「大雪」(たいせつ)の日でした。

歳時記カレンダーによると…北風日増しに
強く雪大いに降る…これは明らかに非現実
なので「SDGs 13」…気候変動に具体的な
対策を…について陰暦(この日は11月4日)と
のズレを交えて授業で解説考察しました。


大日本帝国海軍「真珠湾攻撃」の現地日。

第二次世界大戦勃発・太平洋戦争開戦と
なった忘れてはならない日(日本八日未明)
… 石垣りん詩集『表札』(2021夏 復刻版)
を読みました…「雪崩のとき」「挨拶」
「弔詞」「崖」… たたみかける反戦の詩。


石垣りんさんは詩の中に「私」という
ことばをしっかり使うかたでしたね…
他人事(ひとごと)ではない自分事として 
凡(すべ)てを表現されました… ですから
「自分」もたくさん出てきます…溜め息。


SDGsも真珠湾も他人事であってはならない
…そして声高にがなりたてるプロパガンダで
あっても如何なものか…大切なことは小さな
声で語られる…小さな声に耳を澄ませること
…思っているだけでは伝わらない変わらない。


【リメンバー私が冬に出来ること】


【真珠湾八十年の凪(なぎ)遥か】


〈追歌〉
【小雪の日に小説を読むように
        大雪の日に大切なこと】
      (宏川)






冬のことです 思いだしてごらん
あんなことこんなこと あったでしょう
もみの木かざって メリークリスマス
サンタのおじいさん 笑ってた

冬のことです 思いだしてごらん
あんなことこんなこと あったでしょう
寒い雪の日に あったかい部屋で
たのしいはなし ききました


「おもいでのアルバム」
増子とし作詞・本多鉄麿作曲

この曲には
春・夏・秋にはない
別詞での繰り返しが
冬だけあるという…
ただそれだけのこと
… それを知りました。


【冬重ね春遠からじオリックス】


来年は
必ず球場で応援したい します
きっと 同郷の吉田正尚選手は
今度こそ打ってくれると信じ…。


山本由伸投手が入魂の全力投球をして
勝ち投手になれなかった第一戦第六戦
京セラドーム大阪とほっともっと神戸
で懸命の応援を続けた息子夫婦の土産。


【寒サニモマケヌ勝てなかったけれど】
(賢治十連句:改作)


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11月11日の阪神地区は冷たい雨が時折激しく
また止んで僅かな薄日も差す「時雨日和」。🌂

画像に頼りがちな文業を大いに反省自戒する
今日この頃… 撮れていたら嬉しくてアップの
標題「神無月上弦 : 旧暦十月初冬の七日月」🌓
でしたが…見えずに想うのも悪くはないもの。


時雨日和はNP造語のつもりでしたが白秋に
「時雨日和」と「時雨」の二篇の詩があり…
来年には没後80年…時雨は初冬の季語です。


北原白秋(1885年~1942年)

「時雨日和」

 紅葉はらはら 山かげ日かげ
 何の鳥かよ きよきよ となく。

 水の音きけや 侘しうて寒むて
 紅葉照る坂 またのぼる。

 誰か通るか 向かふの山に
 こなた行くかげ また映る。

 誰かゐやるか 唐きびからか
 背戸にからから 冬の風。

 風のさいかち 半ばは枯れて
 莢(さや)が鳴ります 日の暮れは。


「時雨」

    時雨は水墨のかをりがする。

    燻んだ浮世絵の裏、

    金梨地の漆器の気品もする。

    わたしの感傷は時雨に追はれてゆく

    遠い晩景の渡り鳥であるか、

    つねに朝から透明な青空をのぞみながら、

    どこへ落ちてもあまりに寒い雲の明りである。

    時にはちりぢりと乱れつつも、

    いつのまにやら時雨の薄墨ににじんで了ふ。



【かぜひかりわかきは力ぞ白秋忌】

(南天荘画廊「白の会2020.1」に寄せて…
    関西学院大学校歌「空の翼」作詞者の
    北原白秋…忌日は11月2日で晩秋の季語)

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