NPブログ「Leitmotiv 」言葉・論理・主題連鎖への旅

カテゴリ:音楽 > ピアノ


ピアノ協奏曲全集、パガニーニの主題による狂詩曲 
リーズ・ドゥ・ラ・サール
ファビオ・ルイージ&フィルハーモニア・チューリッヒ
セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943) 

コロナ禍前で私たちがもう少し自由だった頃
兵庫県立芸術文化センターで公演を視聴して
その後すぐに買い求めたもので1番を初めて
聴いた記憶… ラフマニノフがモスクワ音楽院
に通っていた18歳頃の試作と余りにも有名な
2番を実に実に久しぶりに… 夢見心地で3番
これは難曲の誉れ高くてラフマニノフの凄味
を語るに相応しく…ロシア革命でアメリカに
脱出したのでニューヨーク初演ゆえに望郷感
…4番は楽譜改訂を重ね死後の出版だったか。


リーズ・ドゥ・ラ・サールは5月で36歳に
なったばかりフランスの人気女性ピアニスト。

36歳は若いなあ。

Горе не море, выпьешь до дна.」

悲しみは海ではないから、
すっかり飲み干してしまえる。
「悲しみはいつかは癒えるものだ」
という意味のロシア語の格言を見つけた。

紹介だけ、おやすみなさい、やはり2番最高
いろんな意味でノスタルジーとエレジーの塊。


【鳥帰るラフマニノフの国遥か】
(八年前の仲春、故松岡先生のお元気な頃、
  五葉句会にて)

《 砲弾の飛び交ふ国へ鳥帰る 》
(『NP第2号』所収、ひつじ子さんの逸品)

いかにNP句にリアル感の乏しいことか…。

しかし、この数年で見後(おく)ったひとの
数だけは、悲しいくらいに私は負けない。


【見後ったひとの数だけラフマニノフ
   ピアノコンチェルト静かに深く】


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ロシアからの官費留学でモスクワ音楽院に
留学中の杉本沙織さんは東京藝術大学博士
課程に同時進学されます… 只今一時帰国中。


阪急池田駅から北東600m登ったところに
逸翁美術館があり付設のマグノリアホール
… ご家族に招待券を頂戴して有り難く拝聴。


素晴らしい超絶🎹

もう、それはやはりやはりご本人の人生を
賭けるかの如き、スクリャービン最高でし
たが、何とアンコールがショパンの練習曲
… ピアノ鑑賞の語彙力が乏しいのが悔しい
ぐらいに、「音の措きかた」と「消音まで」
「速弾きパワーと繊細さのバランス」が見事。


杉本沙織さんは『NP第2号』にロシアンエッセイを
弟の杉くんは同じく研究エッセイを寄稿されました。


【母に似て父に似て再会の春】


乞うご期待🖊




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愛読している音楽月刊誌『ショパン』には、
少なくとも約10本のエッセイが掲載或いは
連載されています… エッセイ風も含めて。

そもそも小論的なピアノ専門誌ではなくて、
ピアノを中心としたクラシックエンタメ誌
のように見受けます… 今号はスイーツ特集🍰
(作曲家の好んだ甘いお菓子の曲とか)です。

毎号特に楽しみに読んでいる連載エッセイは
ふたつあります…一つは下の11月号で第24回
を迎えた菊池亮太さん(ピアニスト作曲家で
You Tuber)の「ぶらり音楽散歩」脱力系です。

そしてもう一つ最大の期待は…第9回を迎えた
杉本沙織さん(ロシア連邦政府全額国費留学生
としてモスクワ音楽院留学中の気鋭ピアニスト)
の「ロマンチック・ロシア」体験ルポ型です。

後者は今号でラフマニノフ(生誕150年)の家
博物館来訪のお話を…まるでピアノソナタや
変奏曲のように愉しく鮮やかに伝えています
…とても手馴れて尚且つ虚心な書きぶりには
毎回ながら留学先の活写と共に心躍ります。

「一面に咲き乱れているリラの群れ」…ライラック
(リラ)を愛したラフマニノフへの想いが溢れ出ます。


ピアノを弾けなくてもピアノ誌を読める、
それは杉本さんのような音楽エッセイが
あるから… これからも読み続けます。🎹📚

10月27日(金)は陰暦の長月(九月)十三日で
「十三夜」「後の月」でした… 28日(土)が
小望月で29日(日)は望月そして月齢も満月。


後(のち)の月は、葉月(八月)中(なか)の月の
中秋の名月(十五夜)と合わせてみるがよし…
中古の風雅の一端です… 昨夜は低気圧通過
による突風にわか雨のあと、綺麗に東の空
みることが叶いました…特進8限目授業の、
まさに後の月なのでした… 帰りにはデイ
パックへと、この日の職場机上に繙いた
『ショパン11月号』を確り仕舞いました。


【後の月ラフマニノフの変奏曲】🌔


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【「ショパン」よむ三月一日のひざし】


音楽誌「ショパン」の三月号に新連載があり
モスクワ留学中のピアニスト杉本沙織さんの
精進の経緯を達意の文章でよむことが出来…
専門店タオカ珈琲の香りとやわらかなひざし。


杉本さんはスクリャービンをこよなく愛する
ピアニストのかたとお聞きしていましたが…
東京藝術大学のピアノ専攻の学部修士を経て
さらに研鑽をつまれ官費留学生というお立場
上記音楽院の本科(日本の学部+修士課程)に
… 御本人のおことばで「長い挑戦の始まり」。


【ラフマニノフ像の前の留学生
     静かに笑みて雪の音楽院】



杉本さんは当ブログにたまに登場する杉くん
のお姉さんでNPもお母様にチケットをとって
戴きコンサートに伺ったことがあり ご発展と  
ご活躍を念じています… ともあれ連載と昨秋
よりの留学とに衷心より拍手をいたします。👏


高校生の頃からロシア史とトルストイが好き
藝大ではスクリャービンとロシア語に夢中と
… 音楽院での更なるキャリアアップといずれ
帰朝コンサートとを楽しみにしながらご紹介。


【春のソナタ静かに咲いている平和】


タオカが元町に新しいお店を出したようです
珈琲店激戦区での挑戦にも拍手です… きっと
ピアノ修業も激戦なのでしょうね… 平和の中 
での静かで心豊かなたたかいを願いながら…。


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百八十年前の超絶🎹


wikipediaでフランツ・リスト(ドイツ語) もしくは
リスト・フェレンツ(ハンガリー語)を繙(ひもと)く
と…そのピアノ演奏技術のまさに超絶エピソードに
圧倒されます…フレデリック・ショパンも呆れる程。

「旅人のアルバム」として1842年の楽譜出版以降
20才代〜60才代に断続的に作曲された「巡礼の年」
そのモティーフで宝塚の花組が大劇場公演中です。


本公演を鑑賞して…花組トップの柚香光(ゆずかれい)
さんがリスト役で冒頭から何曲(?)か弾き語りという
その超絶演技を目のあたりにして…いよいよ新人公演
が楽しみになりました…本公演の合間に一回のみ同じ
演目を新人(入団1年目〜7年目迄)だけで大劇場平日の 
宵にそのまま公演するのですが… そのリスト役がNP
イチ推しの「侑輝大弥(ゆきだいや) 」さんなのです。


このジェンヌさんを教えてくださった
同じダイヤファンのかたにいつも感謝
しながら… ヅカファンのひとりとして
期待と歓喜と恍惚その他にも沢山沢山
「わくわく感」を味わいつつ「待ち」  
… 入待ち出待ちが自粛されるなか只管
(ひたすら)「新公待ち」本当に楽しみ。



【梅雨寒に只管待つは新人公演】


この巡礼の年スイスの第8曲「郷愁」が
村上春樹さんの『色彩のない多崎つくる
と、彼の巡礼の年』の重要モティーフに
なるのですが…それはまた別のお話で。📕




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